【2026年からワークス参戦も】ディフェンダーがダカール・ラリー公式車両として大会運営で活躍

公開 : 2025.12.25 17:25

年明け2026年のダカール・ラリーよりワークス参戦を開始するディフェンダーですが、すでに2025年シーズンより公式車両パートナーとして、大会運営のための車両を提供しています。実際にダカール・ラリーのコース設定のために2台のディフェンダーが活躍中です。

ダカール・ラリーの公式車両パートナーとして

英国のアドベンチャー・ブランドである『ディフェンダー』は、世界で最も過酷なオフロードレースとされるダカール・ラリーのオフィシャル車両パートナーとして、さまざま方法で競技をサポートしている。

このパートナーシップは2025年から2028年までの4年間にわたり、期間中はイベント運営やコース設定のために高度な特殊仕様のディフェンダーが提供される。

ディフェンダー110 ダカール・ラリー・レッキ車両。
ディフェンダー110 ダカール・ラリー・レッキ車両。    ジャガーランドローバー・ジャパン

大会の主催者は10〜15日間かけて数千キロもの砂漠地帯を走破し、過酷なコースを設定する必要があるため、提供される車両には極めて高い耐久性と走破性が求められる。

すでに2台のディフェンダーがダカール・ラリー2026のルート検証用として実戦投入されており、運営の要として活用されている。

さらに大会期間中は、競技関係者やVIPメディアの移動用車両としても20台のディフェンダーが稼働し、包括的なイベントサポートを行う。

砂漠を走破する『レッキ車』の特別装備

ラリーレイド競技のコース設定(レッキ=reconnaissance・偵察)に使用されるディフェンダーは、直列4気筒ガソリンエンジン(P300)を搭載した『110』モデルをベースに、ラリーレイド仕様への改造が施されている。

安全性確保のためロールケージや4点式シートベルトが装備され、乗車定員は機材スペース確保のために3名に変更されている。

ディフェンダー110 ダカール・ラリー・レッキ車両。
ディフェンダー110 ダカール・ラリー・レッキ車両。    ジャガー・ランドローバー・ジャパン

微細な砂塵の舞う過酷な環境に対応すべく、サイクロン式吸気プレフィルターを備えた高性能エアインテークや、専用のクーリングパックキットも追加された。

足回りには18インチホイールとオールテレイン(全地形)タイヤ、強化されたアンダーボディプロテクションが採用されている。

また、砂漠での長期間の生活を想定し、耐荷重132kgのルーフラックを備え、工具やスペアパーツ、脱出用のサンドラダーなどのほか、約700km分の補助燃料タンクや冷蔵庫、40リットルのシャワー用水タンクなど、サバイバルに必要な装備も充実している 。

また、ダカール・ラリー本番においても、ディフェンダーのレッキ車は各ステージの先導車として使用される。

2026シーズンはワークス参戦も

2025年のディフェンダーはオフィシャルパートナーとして運営を支える役割に徹したが、2026年からは『FIA世界ラリーレイド選手権(W2RC)』の『ストック(市販車)』カテゴリーにおいて、ワークス体制での参戦を開始することが決定している。

この参戦車両には、市販車と同様の堅牢な「D7x」ボディアークテクチャが採用され、軽量アルミニウム製モノコック構造による高剛性が確保される。

ディフェンダー110 ダカール・ラリー・レッキ車両。
ディフェンダー110 ダカール・ラリー・レッキ車両。    ジャガー・ランドローバー・ジャパン

パワートレインには、ディフェンダーの最上級モデル『オクタ(OCTA)』に搭載される4.4LツインターボV8エンジンが搭載されている。

これは3年間にわたるプログラムの始まりであり、ディフェンダーはダカール・ラリーという究極のテストフィールドで、ブランドの信頼性と耐久性を証明していくことになる。

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR JAPAN

    Autocar Japan

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の日本版。

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