往復約550kmのロングドライブでわかったこと【帰ってきたヒョンデ・アイオニック5長期レポート #3】

公開 : 2025.12.25 17:05

編集部では昨年からヒョンデの長期レポートを継続中。アイオニック5で開始し、コナへ変更。そのコナも9月いっぱいで期間終了となり、ふたたびアイオニック5が編集部にやってきました。『帰ってきた』レポート第3回です。

編集部の動力源として活躍

編集部では昨年夏からヒョンデのEVを長期レポート中。現在は3台目となるアイオニック5が、日々、編集部の動力源として活躍している。

さて、レポート車が手元にやってきてから10日後くらいのこと。ちょうど名古屋方面に行く用事があったので、長距離ドライブのアシとして使用してみることにした。静岡県東部の自宅からは片道約250kmで、現地での移動も考えると、往復で合計約550kmを走ることになる。

編集部で長期レポート中のヒョンデ・アイオニック5。
編集部で長期レポート中のヒョンデ・アイオニック5。    平井大介

初回のレポートで、バッテリー残量93%で残りの航続距離が586kmだった写真をアップした。そこから自宅まで移動しだいぶ減ったところで200Vの普通充電を行ったところ、100%で593kmとなった。ちなみにこれはまだ、残暑が感じられた時期の話である。

カタログスペックは最大703kmだが、航続距離はそれまでの運転データから算出しているそうなので、それまでの走行条件が理想的ではなかったということだろう。

いずれにせよ充電なしで名古屋を往復するのは難しいと考え、今回は1泊2日だったので、夜中に普通充電ができる設備があるホテルをセレクトした。HPに充電は予約が必要と書いてあったが、到着時間が読めなかったので、予約せずに向かうことにした。

瞬間電費のバーを意識しながら走る

さて、自宅から現地まではほぼ高速道路での移動となる。

ちなみに新東名高速道路の最高速はだいたい100~120km/hだが、オートクルーズで120km/hに速度を固定すると電費がそれほどよくないことは、以前アイオニック5をレポートしていた時に経験済みだった。

停止時の写真なので動いていないが、下側が瞬間電費を表示するバーとなる。
停止時の写真なので動いていないが、下側が瞬間電費を表示するバーとなる。    平井大介

これはEVに限らず、ガソリンエンジンでも同様だが、路面の勾配などからかかる負荷を考慮せずに速度を固定すると、どうしても電費(燃費)が落ちる状況も無視することになる。そこで個人的にはオートクルーズを使用せず、メーターに表示させる瞬間電費のバーを意識しながら走るのが癖になっている。

しかし、今回そこは意識しなくてもよかったので、とりあえずドライブモードはノーマルで走り始めた。ちなみにモードがエコだと電力の消費を抑えるが、急激に踏み込みすぎないなどノーマルでアクセルワークを意識すれば、エコと同等の効果も得られる傾向にあることも経験済み。

つまり、クルマとしっかり向き合ってドライブすれば、十分に電費を抑えることが可能……というのが持論となっている。

長距離移動の快適さはアドバンテージ

アイオニック5のホイールベースはちょうど3000mmと、かなり長い。その恩恵は特に高速道路の乗り心地で得ることができる。EVだから静粛性は高く、気になるノイズや振動を感じることもない。

以前のレポートでも感じていたが、長距離移動の快適さはアイオニック5が持つアドバンテージのひとつだ。そのよさを今回の移動でも十分に体感することができた。

アイオニック5のホイールベースはちょうど3000mmと、かなり長い。
アイオニック5のホイールベースはちょうど3000mmと、かなり長い。    平井大介

ステアリングホイールに備わるパドルシフトでは回生の強さを変更でき、右に長押しをするとオートモードに切り替わる。これはアクセルを離した状態で前走車に接近すると減速するもので、その挙動は実に自然。今回の意外と交通量が多かったのでかなり重宝した。

気になったのは、『レーンフォローイングアシスト』機能。以前のレポート車はステアリングの戻し方が正直、不自然だった。今回のレポート車はだいぶ進化し不自然ではなくなったものの、反応が過敏すぎるのか、何度か違和感を覚える挙動があった。

しかし基本的にはシートも含めて、終始快適な移動だった。途中サービスエリアで休憩した際に前日からの疲れもあり「5分だけ寝よう」と思ったところ、快適すぎて45分も寝てしまったほど。そのため時間がギリギリになってしまい、電費を気にせずペースアップすることになってしまった。

記事に関わった人々

  • 執筆 / 撮影 / 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

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