「想像外!」が絶対使命 電動車「レヴエルト」で実感した、ランボルギーニの未来

公開 : 2023.06.11 12:15

電動化時代の新型車 それぞれの使命

レヴエルトのデザインの特長は、Y字形のライトシグニチャーだ。

となれば、これがランボルギーニ電動車の共通アイコンになるのだろうか?

「モーターサイクルのように」の言葉通り、ランボルギーニの量産モデル初のPHEVは、V12の存在をはっきりと確かめられる。
「モーターサイクルのように」の言葉通り、ランボルギーニの量産モデル初のPHEVは、V12の存在をはっきりと確かめられる。    前田惠介

この点について、ボルケルト氏は「(レヴエルトで採用した)Y字形や六角形は今後、すべてのランボルギーニ(の電動車のデザインアイコン)として採用する予定だ。これだけではなく、デザインの革新性を追求していきたい」という見解を示した。

また「ひと目でランボルギーニだと分かるアイデンティティをきちんと出すことは重要だ。その上で、それぞれのモデルでランボルギーニとしての使命がある」とも指摘する。
 
そうしたデザイン哲学の中で、PHEVではV12の存在感を強調するため、デザイン初期から外部からはっきりとV12が見えるような立体的なリアボディ形状を考案したことを明らかにした。そのイメージとしては「モーターサイクルのように」と称して、エンジンの存在感をアピールすることを狙ったという。

こうした説明の中で、何度か「Unexpected(アンエクスペクテッド:想定外)」という言葉が出てきたのが印象的だった。

ランボルギーニオーナーのみならず、社会におけるランボルギーニの存在意義をひと言で表現したものだ。

「ランボの未来」はこうなる!?

発表会場には「From now on」という文字が目立った。

直訳すれば、「これから…」という意味である。

日本向けの生産枠は数年先まで完売というレヴエルト。6000万円級の価格になることが分かっている。
日本向けの生産枠は数年先まで完売というレヴエルト。6000万円級の価格になることが分かっている。    前田惠介

言い換えれば、レヴエルトはランボルギーニ史上、最大の転換期を意味する。

1963年「350GT」によって世に出たV12はこの後、ミドシップスポーツでは「ミウラ」「カウンタック」「ディアブロ」「ムルシエラゴ」、そして「アヴェンタドール」と継承され、ランボルギーニユーザーのみならず、クルマを愛する多くの人たちにとってランボルギーニのブランドアイコンとして親しまれてきた。

今回、これらの実車が展示される中でレヴエルトの姿を見ていて、「From now on」という言葉が筆者として腑に落ちた。

DX(デジタルトランスフォーメーション)、SDGs(国連・持続可能な達成目標)、そしてアーバニゼーション(都市への人口集中)など、グローバルで大きな社会変化が訪れているいま、ランボルギーニはレヴエルトを基点に新たなスタートを切ったと断言できる。

最後に、ランボルギーニの一員として、電動化の未来をどう思うかを聞いた。

ボルケルト氏は「必ず明るい。強いDNAがこれからも続く。見て乗って鳥肌が立つようなエモーショナルな体感を通じて、皆さんに微笑みを届けたい」と語ってくれた。

これからもランボルギーニに、Unexpected(想定外)な驚きを期待し続けたい。

記事に関わった人々

  • 執筆

    桃田健史

    Kenji Momota

    過去40数年間の飛行機移動距離はざっと世界150周。量産車の企画/開発/実験/マーケティングなど様々な実務を経験。モータースポーツ領域でもアメリカを拠点に長年活動。昔は愛車のフルサイズピックトラックで1日1600㎞移動は当たり前だったが最近は長距離だと腰が痛く……。将来は80年代に取得した双発飛行機免許使って「空飛ぶクルマ」で移動?
  • 撮影

    前田惠介

    Keisuke Maeda

    1962年生まれ。はじめて買ったクルマは、ジムニーSJ30F。自動車メーカーのカタログを撮影する会社に5年間勤務。スタジオ撮影のノウハウを会得後独立。自動車関連の撮影のほか、現在、湘南で地元密着型の写真館を営業中。今の愛車はスズキ・ジムニー(JB23)

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