フォード・レンジャー 詳細データテスト 柔軟な操縦性 操舵はSUV並み 乗用に不満のないトラック

公開 : 2023.06.24 20:25  更新 : 2023.07.04 00:11

購入と維持 ★★★★★★★★☆☆

使い勝手に関しては高得点だった。2台のサイズはおおむねライバルと同等で、積載重量は1t以上あり、牽引重量は最大3.5tに達する。他車を凌ぐまではいかないものの肩を並べており、マイナス要素はない。

ただし、最廉価版でも上位仕様でも、ピックアップ市場でもっとも低価格な選択肢ではないのも事実だ。同等装備であれば、トヨタハイラックスよりやや高く、いすゞD−マックスやサンヨン・ムッソならもっと安い。なお、レンジャーがベースで、より上級志向で乗用車的なフォルクスワーゲン・アマロックは、レンジャーより数千ポンド高い。

残価予想は、トヨタハイラックスとほぼ同等。いすゞD−マックスとの差は、年を経るごとに縮まる。
残価予想は、トヨタハイラックスとほぼ同等。いすゞD−マックスとの差は、年を経るごとに縮まる。

ラプターを除くレンジャーはライトコマーシャルヴィークルに区分される。車両重量2040kg超のピックアップは、英国では主要道路の制限速度が低く設定されるがダブルキャブのレンジャーはこれに相当する。

テスト時の平均燃費は、性能計測を含めた1週間の走行で10.2km/L。ハイラックスと同等だが、フォードのほうが世代の新しいエンジンとトランスミッションを積んでいることを考えると不満が残る。ただし、ツーリングでの13.0km/Lはなかなか優秀。重く、フロントエンドが直立したクルマとしては、高速道路の一定巡航での経済性は高いと言っていい。

記事に関わった人々

  • 執筆

    イリヤ・バプラート

    Illya Verpraet

    英国編集部ライター
  • 執筆

    マット・ソーンダース

    Matt Saunders

    英国編集部ロードテスト・エディター
  • 撮影

    ジョン・ブラッドショー

    John Bradshaw

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    関耕一郎

    Koichiro Seki

    1975年生まれ。20世紀末から自動車誌編集に携わり「AUTOCAR JAPAN」にも参加。その後はスポーツ/サブカルチャー/グルメ/美容など節操なく執筆や編集を経験するも結局は自動車ライターに落ち着く。目下の悩みは、折り込みチラシやファミレスのメニューにも無意識で誤植を探してしまう職業病。至福の空間は、いいクルマの運転席と台所と釣り場。

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