フォード・レンジャー 詳細データテスト 柔軟な操縦性 操舵はSUV並み 乗用に不満のないトラック

公開 : 2023.06.24 20:25

使い勝手 ★★★★★★★★★☆

インフォテインメント

レンジャーのインフォテインメントは、全車ともフォードの最新版ソフトであるSync4と、縦型の大画面を用いる。ディスプレイは直立していて、位置は視線より低い。走行中の視界に入ってくることはないが、視野角は理想的とは言えない。

とはいえ、インターフェイスそのものは優秀だ。大画面は、使用頻度の高い機能を常時表示できる。低い部分にはエアコン情報、その上にはよく使う機能へのアクセス用ウインドウが常に置かれ、その上にスマートフォンのミラーリングやメディアプレイヤー、ナビなどが表示される。最上部右側の車両アイコンをタップすると、即座にセッティング画面を呼び出せる。

低めのディスプレイは、走行中の視界を邪魔しないが、どの角度からも見やすいわけではない。しかし、タッチ画面の表示は非常に使いやすいロジックでレイアウトされている。
低めのディスプレイは、走行中の視界を邪魔しないが、どの角度からも見やすいわけではない。しかし、タッチ画面の表示は非常に使いやすいロジックでレイアウトされている。    JOHN BRADSHAW

ナビは、総じて上々の機能ぶりを見せる。ただし、いくつか地図上の地点の特定ができないことはあった。

Android AutoもApple CarPlayも、接続はワイヤレス。テスト車にはUSBポートが、AとCの各タイプ2口ずつ備わっていたが、下位グレードではその数が減る。ワイヤレス充電はオプションで、テスト車には未装備。8スピーカーのバング&オルフセンは、音はいいが並外れてはいなかった。

燈火類

ヘッドライトは、エントリーグレードではハロゲンだが、ワイルドトラックではLEDプロジェクター。マトリックスLEDは、最上位のプラチナムに採用される見込みだ。

ステアリングとペダル

ブレーキペダルは比較的右寄りだが、これは下位グレードのMT車用にクラッチペダルのスペースを空けておく必要があるため。ステアリング位置は正常で、チルトもテレスコピックも調整範囲は広い。

記事に関わった人々

  • 執筆

    イリヤ・バプラート

    Illya Verpraet

    役職:ロードテスター
    ベルギー出身。AUTOCARのロードテスターとして、小型車からスーパーカーまであらゆるクルマを運転し、レビューや比較テストを執筆する。いつも巻尺を振り回し、徹底的な調査を行う。クルマの真価を見極め、他人が見逃すような欠点を見つけることも得意だ。自動車業界関連の出版物の編集経験を経て、2021年に AUTOCAR に移籍。これまで運転した中で最高のクルマは、つい最近までトヨタGR86だったが、今はE28世代のBMW M5に惚れている。
  • 執筆

    マット・ソーンダース

    Matt Saunders

    役職:ロードテスト編集者
    AUTOCARの主任レビュアー。クルマを厳密かつ客観的に計測し、評価し、その詳細データを収集するテストチームの責任者でもある。クルマを完全に理解してこそ、批判する権利を得られると考えている。これまで運転した中で最高のクルマは、アリエル・アトム4。聞かれるたびに答えは変わるが、今のところは一番楽しかった。
  • 撮影

    ジョン・ブラッドショー

    John Bradshaw

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    関耕一郎

    Kouichiro Seki

    1975年生まれ。20世紀末から自動車誌編集に携わり「AUTOCAR JAPAN」にも参加。その後はスポーツ/サブカルチャー/グルメ/美容など節操なく執筆や編集を経験するも結局は自動車ライターに落ち着く。目下の悩みは、折り込みチラシやファミレスのメニューにも無意識で誤植を探してしまう職業病。至福の空間は、いいクルマの運転席と台所と釣り場。

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