商用車と一線を画す走り味 フォルクスワーゲン・マルチバン 長期テスト(2) 撮影車に最適

公開 : 2023.08.06 09:45

商用車とは一線を画す走り味

最近は、大きなマルチバンに1人で乗ることが多い。空間はガランとしていても、快適で心地良い。運転席側には折りたたみ式のアームレストが用意され、ハーマン・カードンのステレオが最高の音質で音楽を楽しませてくれる。

ブルメスター社の技術者は、車内の環境が音質に大きな影響を与えると話していた。2シーター・クーペの車内は、ワンボックスのバンより音環境としては良くないという。

フォルクスワーゲン・マルチバン 1.4TSI eハイブリッド 218ps スタイル(T7/英国仕様)
フォルクスワーゲン・マルチバン 1.4TSI eハイブリッド 218ps スタイル(T7/英国仕様)

もちろん、本当の高音質で鑑賞するなら自宅のステレオが適しているし、筆者もその方が好きだ。とはいえ、マルチバンの内装素材やスクエアな空間は、音質へプラスに働いているように思う。

T7世代のマルチバンは、乗用車用プラットフォームをベースにしている。乗り心地の印象も乗用車に近く、背もたれが倒れ気味のドライビングポジションも快適だ。しかし、走行中には振動音や共鳴音が小さくない。

リアシートはスライド式で、取り外しも可能だから、避けられないことなのかもしれない。シートのハードウエアの一部が、エンジンの特定の周波数に共振する様子。それでも、商用車とは一線を画す走り味には、感心させられる。

235/55 R17という肉厚なブリヂストン・トゥランザは、しなやかに路面を掴む。長距離ドライブを安楽にこなせる、好ましいタイヤだ。重い荷物を後ろに積むと、揺れが落ち着き余計なノイズが抑えられ、一層快適になる。

テストデータ

気に入っているトコロ

スライドシート:レバーを1度引くとシートの固定が外れ、レールの上をスライドしたり、向きを回転できる。非常に便利。
ハイビーム:筆者は普段、オートハイビーム機能を頼ることはないが、マルチバンのそれは良く機能する。反応が遅れ、対向車からパッシングされたことはまだない。

気に入らないトコロ

シートヒーター:インフォテインメント・システムが起動するまで、シートヒーターをオンにできない。
デフロスター:フロントガラスのデフロスターは、視線の外にあるタッチセンサーで操作する。走行中は、オンにすることが難しい。

テスト車について

フォルクスワーゲン・マルチバン 1.4TSI eハイブリッド 218ps スタイル(T7/英国仕様)
フォルクスワーゲン・マルチバン 1.4TSI eハイブリッド 218ps スタイル(T7/英国仕様)

モデル名:フォルクスワーゲン・マルチバン 1.4TSI eハイブリッド 218ps スタイル(T7/英国仕様)
新車価格:5万9545ポンド(約1071万円)
テスト車の価格:6万6619ポンド(約1191万円)

テストの記録

燃費:13.2km/L
故障:なし
出費:なし

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・プライヤー

    Matt Prior

    役職:編集委員
    新型車を世界で最初に試乗するジャーナリストの1人。AUTOCARの主要な特集記事のライターであり、YouTubeチャンネルのメインパーソナリティでもある。1997年よりクルマに関する執筆や講演活動を行っており、自動車専門メディアの編集者を経て2005年にAUTOCARに移籍。あらゆる時代のクルマやエンジニアリングに関心を持ち、レーシングライセンスと、故障したクラシックカーやバイクをいくつか所有している。これまで運転した中で最高のクルマは、2009年式のフォード・フィエスタ・ゼテックS。
  • 翻訳

    中嶋けんじ

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

長期テスト フォルクスワーゲン・マルチバンの前後関係

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