四角い形=車内が広い 「車中泊も余裕」な有能SUV ヒョンデ・サンタフェへ試乗

公開 : 2023.12.15 19:05

駆動用モーターだけで想像以上に長く走れる

試乗車は、1.6L 4気筒ガソリン・ターボエンジンに電気モーターが組み合わされた、プラグインではないハイブリッドの前輪駆動だった。内燃エンジンだけで180psを発揮するが、駆動用モーターの最高出力はまだ非公開。四輪駆動も選べるという。

エンジンノイズは少々荒っぽいものの、ボリューム自体は小さい。プラグインではないにも関わらず、想像以上に長時間、モーターだけで走れることには驚いた。8速ATは、変速を感知できないほどシームレスにこなす。

ヒョンデ・サンタフェ 1.6ハイブリッド(韓国仕様)
ヒョンデ・サンタフェ 1.6ハイブリッド(韓国仕様)

0-100km/h加速は9.5秒で、大型SUVとしては充分。最高速度は189km/hが主張されるが、そこまで速く走ろうと考えるドライバーは少ないはず。

試乗車のタイヤは、18インチの235/60というサイズでサイドウォールが高く、乗り心地は柔らかめ。だが、速度抑止用のスピードバンプを通過すると、足まわりがぎこちなく動く様子が伝わっていたため、大径ホイールでは快適性へ顕著に影響が出そうだ。

ステアリングは、セルフセンタリング性が強い。実用性重視で設計され、操縦性に優れるとはいえないだろう。

燃費は、カタログ値で15.2km/Lがうたわれる。今回は、複合的な条件を走らせて12.7km/Lを記録した。

2225kgの車重を考えれば悪くないものの、ディーゼルターボの方が経済的なことは事実。日常的に長距離を走らないなら、プラグイン・ハイブリッドが好適だろう。

思慮深くデザインされた有能な大型SUV

スクエアなスタイリングへ目がゆきがちだが、新型サンタフェは思慮深くデザインされた、有能な大型SUVだといえる。ターゲット層を明確に定め、何が必要とされているのか、しっかり考えられている。

車内は広く、収納やSUBポートもふんだん。落ち着いたインテリアで、リラックスした移動を叶えている。

ヒョンデ・サンタフェ 1.6ハイブリッド(韓国仕様)
ヒョンデ・サンタフェ 1.6ハイブリッド(韓国仕様)

英国価格などは今後明らかになるが、ヒョンデらしく競争力の高い数字になることは想像に難くない。広いファミリー層へオススメできる、SUVになるのではないだろうか。

◯:広く実用的なインテリア 上質な内装
△:ぎこちなさが残るドライビング体験

ヒョンデ・サンタフェ 1.6ハイブリッド(韓国仕様)のスペック

英国価格:約4万7000ポンド(約869万円/予想)
全長:4830mm
全幅:1900mm
全高:1770mm
最高速度:189km/h
0-100km/h加速:9.5秒
燃費:15.2km/L(予想)
CO2排出量:150g/km(予想)
車両重量:2225kg
パワートレイン:直列4気筒1598cc ターボチャージャー+電気モーター
駆動用バッテリー:−kWh
使用燃料:ガソリン
最高出力:230ps(システム総合/予想)
最大トルク:35.8kg-m(システム総合/予想)
ギアボックス:8速オートマティック(前輪駆動)

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・プライヤー

    Matt Prior

    英国編集部エディター・アト・ラージ
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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