日産キャラバン・マイルームが、車中泊の新基準なワケ 「ラシーン」の色が復活

公開 : 2023.10.11 14:06  更新 : 2023.10.11 19:42

日産キャラバン・マイルームが正式発表! 期間限定の特別仕様車を撮影してきました。このボディカラー、見覚えありますか?

あのサンドベージュに、ホワイトのルーフ

日産は、新たな車中泊を提案するモデル「キャラバン・マイルーム」を2024年夏より販売開始する。

それに先駆けて、期間限定の特別仕様車「キャラバン・マイルーム・ローンチエディション」がお披露目された。

こちらの2トーンのほかに、3種類のモノトーンカラー(ミッドナイトブラック・ビュアホワイトパール・ステルスグレー)がラインナップされる。ベース車両はGARANDプレミアGX。
こちらの2トーンのほかに、3種類のモノトーンカラー(ミッドナイトブラック・ビュアホワイトパール・ステルスグレー)がラインナップされる。ベース車両はGARANDプレミアGX。    宮澤佳久

今年で生誕50周年を迎えるキャラバンは、長い歴史を誇る日産のロングセラー商品。働くクルマとして歩みを進め、近年ではアウトドア派が注目する遊びグルマとしての評価も高い。

荷室空間の広さが特徴のキャラバンは車中泊にうってつけ。DIYで自分好みの車中泊仕様にする人も少なくない。東京オートサロン2022で日産から初出展された車中泊コンセプトカー「キャラバン・マイルーム・コンセプト」が大きな反響を呼んだのは、そうした背景によるもの。現車を実際に見た多くのギャラリーから市販化の熱望があり、その声に応えた形だ。

写真はキャラバン・マイルーム・ローンチエディション。商用バンのイメージをガラリと変えた2トーンの外観が印象的。ルーフ部分はホワイト、下部はサンドベージュ。2色の塗り分け方や、自然と調和するアースカラーの採用には、最近の車両トレンドが反映される。

このサンドベージュ、実は日産からかつて販売された「ラシーン」のボディカラーである。

ちなみにラシーンとは当時のサニーの4WD用シャシーがベースのコンパクトSUV。1994年から6年間だけ製造された車両だ。キュートな見た目なので最近は女子のソロキャンやゆるキャンに人気の車種だそうだが、今回のラシーン純正色復活との因果関係は不明だ。

純正ボディカラーに組み合わせるグリル周りやスチールホイールなどはマットブラックで統一、引き締め効果を発揮。確実に“アウトドア映え”するアピアランスといえる。

ベッドは2タイプから選択 跳ね上げ式とは

コロナ禍で生活様式が変わり、休日キャンプや日常バンライフを実践する人が増えたことは周知のとおり。そんななか「車中泊」は、世間の注目を集めるようになったキーワードである。

車中泊とは、自分のクルマの車内で寝泊まりすること。時間に縛られることなく、自由で手軽。寝床が車内となれば荷物は最小限で済むし、なによりも旅の選択肢が広がるのがメリットだ。

ベッドを跳ね上げた状態で過ごす空間は、かなり広く清潔で明るい雰囲気。ベッドや収納棚など壁と一体となったデザインで圧迫感がなく、ナチュラルウッド調でコーディネイトされた居心地の良い部屋といった印象だ。付属のテーブルをセットし快適なソファ席で味わうティータイムは格別。
ベッドを跳ね上げた状態で過ごす空間は、かなり広く清潔で明るい雰囲気。ベッドや収納棚など壁と一体となったデザインで圧迫感がなく、ナチュラルウッド調でコーディネイトされた居心地の良い部屋といった印象だ。付属のテーブルをセットし快適なソファ席で味わうティータイムは格別。    宮澤佳久

そうした車中泊の新しいカタチを提案するキャラバン・マイルームは、自分のお気に入りの部屋にタイヤが付いて移動できるようなイメージ。自分の部屋であれば、その使い方は自由自在。さまざまな憩いのスタイルが具現化できるように創意工夫が盛り込まれた。

ターゲットは子育てが一段楽したポストファミリー層ということだが、子育て真っ最中のファミリーや、若者カップルにも響きそうな魅力が備わる。

気になるベッドは、「折りたたみ式」と「跳ね上げ式」の2タイプを用意。

「跳ね上げベッド」は手を離してもしなやかに倒れ、手を挟むことなくワンアクションで手軽に展開できる。また、セットしたテーブルを挟んで座ればワークスペースに。リモートワークの際は、在宅ならぬ“在車勤務”が可能だ。

一方の折りたたみベッドは2分割になっており、自分好みに自由にアレンジできる。

記事に関わった人々

  • 執筆

    小原れみ

    大学在学中に創刊されたアメリカの自動車カスタム文化を紹介する雑誌に影響を受け、インターンシップを経て編集部員に。1996年よりフリーランスのライターに転向。米国車やカスタム車両専門誌の執筆を中心にアメリカン・カルチャー全般を担当する。愛車は、熟練ビルダーである夫の指導を受けてフレーム製作から始めた1932年式フォードのホットロッド。無類の工具&ネジ好き。
  • 撮影

    宮澤佳久

    Yoshihisa Miyazawa

    1963年生まれ。日大芸術学部写真学科を卒業後、スタジオ、個人写真家の助手を経て、1989年に独立。人物撮影を中心に、雑誌/広告/カタログ/ウェブ媒体などで撮影。大のクルマ好きでありながら、仕事柄、荷物が多く積める実用車ばかり乗り継いできた。遅咲きデビューの自動車専門誌。多様な被写体を撮ってきた経験を活かしつつ、老体に鞭を打ち日々奮闘中。
  • 編集

    徳永徹

    Tetsu Tokunaga

    1975年生まれ。2013年にCLASSIC & SPORTS CAR日本版創刊号の製作に関わったあと、AUTOCAR JAPAN編集部に加わる。クルマ遊びは、新車購入よりも、格安中古車を手に入れ、パテ盛り、コンパウンド磨きで仕上げるのがモットー。ただし不器用。

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