クルマ漬けの毎日から

2023.12.31

取材を通して見た「2023年」後編【クロプリー編集長コラム】

10月 ポッドキャスト1周年

同僚のマット・プライアと私が「My Week in Cars」というポッドキャストを始めてから1年が経過した。

マットの赤茶色の猫ミッジは収録中にちょくちょくやって来て、私たちをアシストしようと2人のマイクの間に陣取る。

この猫のサポートも功を奏し、イギリス発の自動車関連のポッドキャストのなかで、「My Week in Cars」はトップ10の常連に。現在ダウンロード数は総計26万回を超えている。

11月 ブラッドハウンド

新たな世界最速記録を樹立するという目標のために、2000年代後半にこのジェットパワーの素晴らしいマシンを製造した「ブラッドハウンド」という組織が、1週間にわたる巡回展示会をブリティッシュ・モーター・ミュージアムで開催した。

その目的は、プロジェクトを完成させるために必要な資金の約21億8400万円を調達することができる新しいドライバーを探すこと。

最新の目標は、(ブラッドハウンドは製造と輸送の段階ですでに排出ガスを生成しているため)追加の排出ガスを出すことなく、新たなランドスピードレコード(略してLSR/地上最速記録)を樹立すること。

現在のLSRを保持するレギュラードライバーのアンディ・グリーンは、ブラッドハウンドを約1045km/hまでテストしている。彼が新しいドライバーのコーチを務めることになる。

11月 フォード・カプリ

2023年のたくさんの楽しいプロジェクトのなかで、とくに楽しかった1つは、46年前に製造されたクルマを1週間試乗するという計画だった。

40年以上前のクルマなので、ロンドンの排ガス規制「超低排出ゾーン」を走っても通行料は無料。フォードはこのプロジェクトにうってつけのクルマを私に貸してくれた。

それは、総走行距離約4万5060kmのじつに素晴らしいカプリ1600L。このカプリに試乗したことで、現代のクルマが品質と細部においてどれほど進歩したかを実感した。

しかし、実用的なサイズと運転のしやすさという観点から比較すると、このクラシックカーのほうが現代のクルマよりも素晴らしいとも感じた。

現代のクルマが複雑化したのは、安全性や排ガス規制といった法的な必要性と、客が期待する装備に対応した結果であるが、他にも原因があるのかもしれない。

記事に関わった人々

  • 執筆

    スティーブ・クロプリー

    Steve Cropley

    AUTOCAR UK Editor-in-chief。オフィスの最も古株だが好奇心は誰にも負けない。クルマのテクノロジーは、私が長い時間を掛けて蓄積してきた常識をたったの数年で覆してくる。週が変われば、新たな驚きを与えてくれるのだから、1年後なんて全く読めない。だからこそ、いつまでもフレッシュでいられるのだろう。クルマも私も。

関連テーマ

 
 

おすすめ記事

 

アリエルの人気画像