マクラーレン675LT

公開 : 2015.05.22 23:00

マクラーレン・オートモーティブ・アジアは、全世界で500台限定モデル、マクラーレン675LTを5月22日に日本初披露した。

675LTのネーミングは、1997年にデビューしたマクラーレンF1 GTR ‘ロング・テール’ に由来している。当時のF1 GTRはロング・ボディ化していたにも関わらず、先代モデルよりも100kg以上の軽量化を達成していた。そして今、約20年前と同じように、軽量化は675LTの重要なキーであり、その車重はクラス最軽量となっている。

マクラーレンのモデル・レンジの位置づけとしては、現行のC(クラブ)、S(スポーツ)に追加されたLT(ロング・テール)というフラッグシップの部類に属し、スーパー・シリーズとして、マクラーレン650Sや625C(アジア市場向けテーラーメイド・モデル)の上位に位置づけられるモデルとなる。

なお、マクラーレン・オートモーティブは2010年の設立後、2011年にマクラーレン12Cの発表を皮切りに、2012年に12Cスパイダー、2013年にマクラーレンP1を発表。毎年新型モデルを導入するという計画を掲げ、2014年にはマクラーレン650Sクーペと650Sスパイダーを発表。さらに2015年にマクラーレン・スポーツ・シリーズを新たに追加している。

エクステリア

675LTにおけるディメンションは、全長:4546mm、全幅:2096mm、全高:1188mm。

エクステリアの特徴となるのは、モデル名が意味する ‘ロング・テール’ だ。これは650Sよりも全長が長くなっていることを意味し、ダウンフォースの向上を見込んでいる。4546mmまでロング・ボディ化されたにも関わらず、先代よりも100kg軽量になっている点も重要だ。

フロント・バンパーも675LT専用になっており、その下部にはエア・フローのさらなる効率化を目指し、カーボンファイバー製のフロント・スプリッターが装着されている。このスプリッターはフロントに流れ込むエアを効率よく排出するためのものだ。エアの流れはフロント・ボディワークにおけるダウンフォースを向上させるフロント・ウイングのエンド・プレート下部を沿うようにして後部まで伸びる立体的なカーボンファイバー製サイド・シルによって整流される。

リア・ホイールアーチの前縁には巧妙に装着されたエア・インテークと、さらに下方のドア後部には、存在感を主張するサイド・インテークが装着されている、2つのインテークを通過したのちに、整流された冷たい空気が側面に配置されたラジエーターに供給される仕組みだ。

またエアロ・バランスの最適化のために用意された、アクティブ・ロング・テール・エア・ブレーキがあることも忘れてはならない。どうしてここにもロング・テールの名が入っているかというと、ボディのロング・テール化に合わせて他のスーパー・シリーズのモデルよりも50%ほど拡張されているからだ。

カーボンファイバー製リア・ウイングも同時に見なおされており、リア・ウイング下部には、むき出しのボディ・ワークから、円形状をした2本のチタン製エグゾースト・パイプが中央部に配されている。実際に見てみるとかなりの存在感だ。

デザインそのものは、他モデルに較べてかなり手のこんだものになっているが、675LTのためだけに専用設計されたクロスオーバー・システムにより、パフォーマンスは最適化されつつ、重要は1.1kg削減。内部がむき出しのリア・デッキとエグゾースト・パイプの周囲は、エンジン・ベイから効率的に放熱されることに重点をおいたデザインとなっており、軽量なポリカーボネート製リア・スクリーンもルーバー仕様となっている。

発表当日、プロダクト・マネージャーのマーク・ゲイドンは675LTのリアの意匠に対して「かなりオープンなデザイン」と表現していたが、実際に見てみるとまさにその通りだ。カーボン製リア・ディフューザーにより、リア・デザインは決して凡庸でないものでありつつ、ルーバー仕様のカーボンファイバー製リア・バンパーによって空気抵抗は低減されている。

外装色に関してはメインとなるテーマ・カラーは5色。シリカ・ホワイトとデルタ・レッド、ネーピア・グリーン、シケイン、そしてマクラーレンが伝統的に使用してきたオレンジのことを纏めてマクラーレンは ‘By Mclaren ヒーロー・スペシフィケーションズ’ と呼んでいる。

また、アジア・リージョナル・ディレクターのデビッド・マッキンタイヤーは「もちろんカスタマーの要望にお応えするために、どんな色にも対応できるよう準備はしていますよ」とコメントしている。
 

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