[ABARTH 70周年]嶋田智之が、いま見つめるABARTH 595

三つ巴スーパースポーツ対決 911ターボとライバルたち 後編 回顧録

2018.11.03

野性味のある911ターボ

これで取り回しのいいパドルシフトと、2カ所のフル制動の後でもびくともしないブレーキペダルがついていれば何もいうことはないのだが、それを抜きにしてもこの3台の中ではこれが最高であると言えるだろう。しかし繰り返しになるが、ギアシフトやブレーキングが正確にできないというのはやはり基本的な問題点であり、そしてそれは路面が乾き始めるに従って重大な欠点として明らかになってきたのである。

そしてコンディションがドライになるに従って、GT-Rの走りも神経を酷使するようなものではなくなってきた。そして、最終的にわれわれはストップウォッチを手にして各クルマでそれぞれ2回のフライングラップタイムを計測することができた。もちろんこの際わたしは可能な限りハードに攻めはしたものの、安全にも十分に留意する余裕は忘れなかった。

まずアタックしたのは911ターボで、なかなか野性味のある乗り味であった。クォーリーコーナーに向かうストレート上のコブやバンプでは何度かフロントタイヤが地面を離れることもあったし、さらにステアリングホイールの動きの大きさも少々ショッキングではあった。

しかし各コーナーのアペックスでのアンダーステアはごくわずかで、さらにシケインの通過も実にスムーズだった。先代に見られたテールの予期せぬ不穏な挙動は見事になくなり、それに代わって見事なボディ制御と、そしていうまでもなく各ギアでの強烈な加速力が際立つようになった。

 
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