ブーストアップで292ps アルピーヌA110 S シリアスが良いとも限らない

2019.11.04

高性能版でも外観の主張は少ない

その結果、A110ピュアに比べて操縦性の良さは倍に引き上げられたと、アルピーヌは主張する。与えられたものは、自ら制限してきた内容を考えれば、さほど大きな変化とも呼べないだろう。

A110 Sにはそびえ立つリアウイングはない。レーシングストライプも、自己主張の強いステッカーもないし、「S」のエンブレムすらない。値段の高いグレードを買ったことを見せびらかすことはできないが、走りで違いを証明することはできる。

アルピーヌA110 S
アルピーヌA110 S

インテリアには人工スウェードの「ディナミカ」が張り巡らされ、オレンジ色のステッチが彩りを加えている。スポーツシートの背もたれの角度調整は、従来どおりできないが、運転姿勢はとても良い。モニター式のデジタルメーターも利用でき、操作系周りにも変更はない。

トランスミッション・トンネルの、赤く光る大きなボタンを押してエンジンスタート。Dボタンを押して発進し、オートかマニュアルか、変速モードを選ぶ。ステアリングの赤いボタンを押すと、スポーツモードに切り替わる。ステアリング・コラムに取り付けられたシフトパドルで変速を繰り返す。

発進時は明確に力強さが増している。標準のA110よりもアクセルレスポンスに優れ、回転の吹け上がりも鋭い。ルノー・メガーヌRSのセッティングよりブースト圧は低めだから、レスポンスだけでなくパワーの発生も直線的で自然。

5万ポンド(695万円)以上するスポーツカー基準で考えれば、盛り上がりに欠ける実用エンジン的ではある。だが、喜びを阻害するほど淡々としたものでもない。

 
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