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事故調査員に聞く事故の原因 時代とともに状況変化 問題は携帯の使用

2019.02.23

100字サマリー

英国で30年以上交通事故の原因調査を行ってきたベテラン調査員に話を聞きました。技術の進歩によって、事故の調査方法が変わるとともに、事故原因そのものも大きく変化しています。そしていま、英国でも運転中の携帯電話使用が大きな問題となっているようです。

もくじ

映像が頼り 守るべきは交通弱者
事故原因も変化 問題は携帯電話
エアバッグは宝の山 余裕が大切
番外編:事故現場はどこだ?

映像が頼り 守るべきは交通弱者

「昔は、証拠になる小さなかけらも見逃すまいと地面に這いつくばってばかりいました」と語るゲーリー・ボールドウィンは、ロンドンの西、オックスフォード周辺を管轄とするテームズバレー警察の科学事故調査部門で勤続30年のベテランだ。

だが、彼はこうも付け加える。「でも、いまではそんな真似をすることはほとんどありません」

ゲーリーが事故調査にかかわり始めた1988年頃は、路面に残ったタイヤ痕が「事故原因特定のカギ」だったが、それもABSの普及によって過去のものとなり、いまでは、その仕事の中心は、監視カメラとドライブレコーダーがとらえた事故の瞬間映像の分析だ。

「完全に取って代わられました」と彼は続ける。「はじめは街中や高速道路に設置してある監視カメラが頼りでしたが、ドライブレコーダーの重要性がどんどん増しています。つねに事故の全貌をとらえているわけではありませんが、それでも非常に重要な役割を果たしていることは間違いありません」


ゲーリーはもう警察からは引退したが、今なお9人で構成された調査隊のまとめ役を務めている。調査対象となる事故は「クルマが関係した死亡事故すべてです。ジャッキがはずれ、その下敷きになったとか、高速道路の多重衝突事故などです」というように、関わり合いたくない類のものばかりだ。

1980年代、英国の交通事故死亡者数は年間5000名に達していた。いまでは2000名以下にまで減少したものの、事故の悲惨さについては「変わりがありません」とゲーリーは話す。

「キャビンで守られていない被害者が問題です。歩行者、自転車、それにオートバイといった、いわゆる交通弱者と呼ばれるひとびとです」

いまだに、交差点での大型車による巻き込みの危険性について知らないまま自転車に乗るひともいるという。つまり、斜め後ろを走る自転車が、トラックからどれほど見えにくいかを、まるで理解していないということだ。

 
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