大統領も乗るフランスの新フラッグシップ『DS No8』発売開始! クラシックDSにも通じる、高級を知り尽くした仕立てに感心【森口将之が解析】

公開 : 2026.05.28 11:00

5月28日、新命名方法で登場した新フラッグシップ、『DS No8』が発売開始されました。導入は『エトワールAWD』1グレードで、価格は1005万円となります。クラシックDSにも通じるその魅力を、森口将之が解析します。

命名方法をあらためて登場

2014年にシトロエンからの独立を果たし、21世紀のフレンチ・プレミアムブランドとして歩みはじめたDSオートモービル。でもその魅力を象徴するようなフラッグシップがあったかというと、うーんと唸ってしまう。

独立直後はDS 5が最上級車種とされたが、サイズは当時のシトロエンC5より小柄だったうえに、乗り心地も硬めで、ラグジュアリーな雰囲気はいまひとつ。その後DS 7やDS 9が登場したが、前者はミドルクラスのSUVであり、大柄な3ボックス4ドアセダンだった後者は、スタイリングがあまりにオーソドックスだった。

新命名方法で登場した新フラッグシップ、『DS No8』が発売開始。
新命名方法で登場した新フラッグシップ、『DS No8』が発売開始。    平井大介

DSオートモビルの中の人たちも、似たようなことは感じていたのかもしれない。命名方法まであらためて登場した『No8』は、フレンチプレミアムならではのアヴァンギャルドでエレガントな姿をまとっていた。

全長4820mm、全幅1900mm、全高1580mmというボディサイズは、5m超えのクルマも多い中では大柄とは言えないが、フランス人はサイズやスケールを誇示するのはセンスがないと考えているようだし、4800×1800×1500mmだったクラシックDSに近いので、納得のボリュームだ。

ホイールベースは3mを大きく超えていたクラシックDSほどではないものの、それでも2900mmと、STLA-Mプラットフォームを共有する車種では、3列シート7人乗りのプジョー5008と共通となっている。

ブランドにふさわしいプロポーション

ボディのプロポーションもまた、DSブランドにふさわしい。

ルーフからリアウインドウに向けて、ゆったりしたカーブを描きながらなだらかに降りていく。リアエンドが左右のコンビランプをつなぐトレンドに乗らず、装飾にも頼らず、微妙な面の表情で魅せるところもこの国生まれらしい。

ボディのプロポーションもまた、DSブランドにふさわしい。
ボディのプロポーションもまた、DSブランドにふさわしい。    平井大介

顔つきは、少し前に試乗記を紹介したNo4に似るが、グリル風のブラックパネル全体にカーテンのようなライトシグネチャーが仕込まれているところが違う。最上級車種ならではの演出だ。ちなみにNo8はマクロン大統領も乗っていて、その車両はこのライトシグネチャーがトリコロールに光る。

昨年開催された大阪・関西万博のフランスパビリオンが似た演出で、エントランスが劇場のカーテンをイメージしたというパイプを使ったヴェールになっており、夜は青と赤の照明が彩りを加えていた。No8のそれは、『DS劇場への入口』という意味が込められているのかもしれない。

記事に関わった人々

  • 執筆

    森口将之

    Masayuki Moriguchi

    1962年生まれ。早稲田大学卒業後、自動車雑誌編集部を経てフリーランスジャーナリストとして独立。フランス車、スモールカー、SUVなどを得意とするが、ヒストリックカーから近未来の自動運転車まで幅広い分野を手がける。自動車のみならず道路、公共交通、まちづくりも積極的に取材しMaaSにも精通。著書に「パリ流環境社会への挑戦」(鹿島出版会)「MaaSで地方が変わる」(学芸出版社)など。
  • 撮影 / 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

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