中国EVメーカーが破産申請 ヒューマン・ホライゾンズ資金難、HiPhi(ハイファイ)親会社

公開 : 2024.08.13 18:05

中国の新興EV企業であるヒューマン・ホライゾンズ(華人運通)が破産を申請した。高級EVブランドのHiPhiを展開するが、資金集めが難航し、2月に生産停止していた。

欧州進出の夢破れる

中国の高級EVブランド、HiPhi(ハイファイ)の親会社であるヒューマン・ホライゾンズ(華人運通、Human Horizons)が破産を申請した。事業拡大のための資金集めに失敗した。

破産申請は8月8日、中国・塩城市の経済技術開発区の裁判所によって正式に発表された。同社は2024年2月に事業再編の一環として、HiPhi X、Z、Y の3車種のEVの生産を一時停止していた。

欧州進出を計画していた高級電動セダンのHiPhi Z
欧州進出を計画していた高級電動セダンのHiPhi Z

ヒューマン・ホライゾンズは、パンデミックの影響による販売不振とサプライチェーンの逼迫による生産コストの増加を受けて、再編と合弁事業パートナー探しを進めていた。第一汽車や長安汽車とのハイレベルな協議を行ったことが報じられているが、事業を存続させるために必要な投資を集めることができていない。

HiPhiのブランド名の権利をはじめ、ヒューマン・ホライゾンズの事業は第三者に買収される可能性がある。しかし、この件に関するいかなる決定も、今後は中国の裁判所が行うことになる。

裁判所の声明にはこう書かれている。「(ヒューマン・ホライゾンズの)資産はすべての負債を返済することはできないが、再編の価値と可能性はある」

ヒューマン・ホライゾンズは2017年、中国自動車業界のベテランであるディン・レイ氏によって設立された。2020年には、初の市販モデルであるHiPhi Xを中国のEV市場に投入した。

Xは全長5200mmの電動SUVで、大胆なスタイリングとガルウィングのサイドドアが特徴的だ。Xは合計出力600psのツインモーターを搭載し、0-100km/h加速3.9秒、最高速度200km/hを誇る。97kWhの駆動用バッテリーにより、中国のCLTCテストサイクルで550kmの航続距離を実現した。

HiPhiは2023年に欧州市場に参入する計画を発表し、XはドイツのTUVから乗用車のホモロゲーション認可を受けていた。しかし、今年2月にセダンのZ(写真)、SUVのYとともに生産停止となった。

記事に関わった人々

  • 執筆

    グレッグ・ケーブル

    Greg Kable

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

関連テーマ

おすすめ記事

 

人気記事