1度は失われたコロンボV12 フェラーリ250 ヨーロッパGT(2) 往年の再現を待ち望む勇姿
公開 : 2026.01.31 17:50
画期的なフェラーリといえた250 ヨーロッパGT 1954年に大アップデート 3.0L コロンボV12は220psを発揮 量産仕様で約5000kmのレースを走破 輝かしい歴史の1台をUK編集部がご紹介
もくじ
ー1度は失われたエンジンとトランスミッション
ー塗装以外、完全な内容で蘇った0373GT
ー低域でも粘り強く扱いやすい3.0L V12
ー往年の再現を待ち望んでいるに違いない
ーフェラーリ250 ヨーロッパ GT(1954〜1955年/欧州仕様)のスペック
1度は失われたエンジンとトランスミッション
シャシー番号0373GTのフェラーリ250 ヨーロッパGTは、1957年に売却され、1990年に北米で発見される。その時点で、エンジンとトランスミッションは失われていた。
ボロボロの状態で購入したのは、弁護士のジョー・モック氏。レストアのため250 GTE 2+2を調達し、V12エンジンは最高出力300馬力のレース仕様へ再構築され、ボディはロッソ・コルサへ塗り直され、内装はブラックのレザーへ一新された。

1995年以降、モックはアメリカのクラシックカー・レースイベントを中心に参戦。1999年には渡欧し、ミッレ・ミリアとリエージュ・ローマ・リエージュも走っている。
同年にブライアン・デブリーズ氏が購入し、メキシコで開かれた復刻版カレラ・パナメリカーナへ出場。クラス優勝を奪った。2000年にも、ディスクブレーキとアルミホイールで武装し再び挑み、2度目のクラス優勝を遂げている。
塗装以外、完全な内容で蘇った0373GT
フェラーリらしい経歴を積んできたシャシー番号0373GTだが、コンポーネントの多くは残されていた。デブリーズは1956年仕様への復元を決め、ドラムブレーキと16インチ・ワイヤーホイールへ戻し、以降のクラシックカー・イベントを走らせている。
2018年に次のオーナーが購入するが、このタイミングで、オリジナル・エンジンの載った250 GTも発見される。その2台は、フェラーリを得意とする英国の専門家、テリー・ホイル氏の元へ送られ、レッドの塗装以外、完全な内容で蘇った。

ヘッドライトのガードや、1956年のリエージュ・ローマ・リエージュ・レースで振られたゼッケン60番が誇らしい。現在のオーナーは、ロイ・ケント氏。このエンジンは、点火プラグがバンク内側にあり、交換が難しいのが難点だと話す。
フロントガラスへ当たる虫を減らすべく、ボンネットにはアクリル製のバグガード。小ぶりなサイドやリアのウインドウも、アクリル製だ。キャビンは後方寄りで、ウエストラインが高め。後年の250 GTツール・ド・フランスと、雰囲気が重なる。
低域でも粘り強く扱いやすい3.0L V12
ロールケージを避けつつ、レザーシートへ。ダッシュボードには、実務的に回転と速度、油圧のメーターが並ぶ。燃料と油温、水温のメーターは、その隣り。ラリー用のハルダ社製タイミング時計が、助手席側を向いている。
2基の燃料ポンプと点火コイルをオンにし、ボタンを押すとコロンボV12が始動。今回は、電動ファンのスイッチもオンにした。リビルド直後で、4000rpm以下という制限付きだが、グレートブリテン島中東部、ノーフォーク州の公道では不満ないはず。

ステアリングコラムとシートは固定され、筆者の体型では背もたれを倒さざるを得ない。それでも、ウッドリムの3スポーク・ステアリングホイールは握りやすい。
ツインチョークのウェーバー・キャブレターが豊かなトルクを生成し、低域でも粘り強く扱いやすい。アルミ製のボールが載ったシフトレバーが、高い位置へ伸びる。やや引っかかりはあるものの、ストロークが短く、正確にギアを選べる。
































































































































