【現役デザイナーの眼:日産ノート/オーラ】今後のトレンドは『小さな高級車』?

公開 : 2024.11.13 07:05

『デジタルVモーション的高級感』とは?

私は『小さな高級車』という概念が、今後のトレンドになるのではないかと思っています。日本国内では原材料の高騰や最近の円安などの多くの要因で自動車の価格が上昇していますが、その価格に見合う付加価値を示さないといけないからです。同じクオリティのものを高い価格で販売しても、ユーザーは戸惑いますからね。

また、ダウンサイジングの意識もこれまで以上に芽生えてくるのではないでしょうか。高齢化社会に進む日本においては、従来の高級車から乗り換えるに相応しい車がより必要になると感じています。その点、レクサスLBXはやはり上手いところを突いたなと思いました。

新型ムラーノ。グリル横桟の延長上にVモーションのシグネチャーランプが品よく収まっている。
新型ムラーノ。グリル横桟の延長上にVモーションのシグネチャーランプが品よく収まっている。    日産

2021年にモデルチェンジしたノートは、そんな時代を意識してか、先代のやや丸くボリューム感あるイメージのデザインからシャープで質感の高いデザインに大きく変わりました。さらに派生車であるオーラは、全幅が40mm拡張されてしっかりしたスタンスが感じられるプロポーションになり、まさに『小さな高級車』と言ってよい優れたデザインのクルマです。

マイナーチェンジされたオーラの高級志向は、方向性としてこれからのニーズに合っていると思いますが、もう少し明快に価値を伝えても良いかなとも思いました。

ヘッドライトを変えなかった事でメッセージが曖昧になってしまった印象を受けてしまいますが、この辺りがやはりマイナーチェンジの難しさですね。

先日北米で発表された新型ムラーノを見て、本来やりたかった『デジタルVモーション的高級感』はこのようなクールなものだったのではないか、と感じた次第です。

記事に関わった人々

  • 執筆

    渕野健太郎

    Kentaro Fuchino

    プロダクトデザイナー兼カーデザインジャーナリスト。福岡県出身。日本大学芸術学部卒業後、富士重工業株式会社(現、株式会社SUBARU)にカーデザイナーとして入社。約20年の間に様々な車をデザインする中で、車と社会との関わりをより意識するようになる。主観的になりがちなカーデザインを分かりやすく解説、時には問題定義、さらにはデザイン提案まで行うマルチプレイヤーを目指している。

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