アルピーヌA290 英国で発売、約650万円から 現代の「サンクターボ」は218馬力のEVに

公開 : 2025.01.24 06:05

パフォーマンス

A110と同様、A290も軽量化に重点を置いて開発された。車両重量1479kgと、ルノー・クリオ(日本名:ルーテシア)のハイブリッドよりも250kgほど軽く、開発ベンチマークとされたミニ・クーパーS Eよりも126kg軽い。また、モーターとトランスミッションの重量は合わせて100kg以下だという。

リアのマルチリンクサスペンションはルノー5 Eテックと共通だが、専用の油圧式バンプストップとスタビライザーを追加し、「優れた快適性」と「トップクラスのハンドリング」の両立を目指した。

アルピーヌA290
アルピーヌA290

また、大径のブレンボ製ブレーキディスク(フロント320mm、リア288mm)を装着し、A110のフィーリングを目標にペダルマッピングを調整。ブレーキ・バイ・ワイヤで制御し、回生ブレーキとの「自然」な協調を追求した。

52kWhのバッテリーを搭載し、WLTPサイクルでの航続距離は最長380km。100kWの急速充電器を使用すれば、約30分で15~80%の充電が完了するという。

A110のように、A290からも複数の派生モデルが生まれるかどうかについて、クリーフ氏は明言を避けながらもその可能性を否定しなかった。

上位グレードに使用される218psのモーターは、ルノー・メガーヌEテックから受け継がれたもので、チューニングによりトルクを高めている。GTSでは最大トルク30.5kg-mを発生し、0-100km/h加速タイムは6.4秒を達成する。ステアリングホイールには、トルクとパワーを10秒間だけ最大限解放する赤いオーバーテイクボタンもある。

アルピーヌはサウンドにもこだわった。単に内燃エンジンを再現するのではなく、音響学者の協力を得てモーターの「自然な倍音」に基づいた2種類のドライビング・サウンドを開発したという。

「サウンドは感情に訴える基本要素だ。アルピーヌは没入感のあるクルマを作らなければならない。ステアリング、スロットル、ブレーキ、そしてサウンド、これらすべてが体験となり、感情を生み出す。我々はそれをクルマに反映させたい」とクリーフ氏は語っている。

インテリア

車内では、10.25インチのデジタル・インストゥルメント・クラスターと10.1インチのタッチスクリーンを採用し、新しいインフォテインメント・システム「アルピーヌ・ポータル(Alpine Portal)」を備える。

また、ライブデータ、コーチング、チャレンジの各機能を盛り込んだテレメトリクスというプログラムも新たに導入する。

アルピーヌA290
アルピーヌA290    アルピーヌ

「ライブデータ」モードは、サーキット走行時の車両の敏捷性、パワー、耐久性、ラップタイムに関する情報を表示し、「コーチング」モードは、ブレーキングやドリフトに関するアドバイスを与えるなど、ドライバーのスキルアップを支援する。

「チャレンジ」モードでは、敏捷性、パワー、持久力に基づいてドライバーに複数の課題を与え、達成するたびに新しい課題がアンロックされるというゲーム形式の設計となっている。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ウィル・リメル

    Will Rimell

    英国編集部ライター
  • 執筆

    サム・フィリップス

    Sam Phillips

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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