【新型3008日本初上陸!】近年プジョーを率いたキーパーソンに聞く現状と未来
公開 : 2025.02.07 07:05 更新 : 2025.02.13 08:34
ステランティス・ジャパンは今年導入予定の新型モデル『3代目プジョー3008』を、福岡市内のホテルで一部メディア向けに公開。フランスから来日したリンダ・ジャクソンCEOらとのラウンドテーブルも実施され、現状と未来を伺うことができました。
待望の3代目プジョー3008日本上陸
1月30日、ステランティス・ジャパンは今年導入予定の新型モデル『3代目プジョー3008』を、福岡市内のホテルで一部メディア向けに公開した。こちらはまだ日本仕様ではなく、ナンバープレートもフランスのものが装着された左ハンドル。実は前日まで全国正規ディーラー向けのミーティングが開催されており、そこで展示しつつ……という流れだ。
現在日本で販売されている3008は、2016年のパリ・サロンで発表された2代目。途中でフェイスリフトを受け、現在の顔になっている。本国では2023年9月に3代目へフルモデルチェンジ。そこから1年以上経っているので、まさに『待望の』日本上陸であろう。

初代3008は5ドアハッチバックである308の背を高くしたミニバンに近いモデルだったが、2代目(現行)ではクロスオーバーSUVとしてデビュー。2列シートの3008、3列シートの5008として人気を得た。今思えば、市場的には比較的早いSUVへのシフトであり、2008も含めてプジョーの主力カテゴリーに成長した。
3代目はステランティス・グループで共有するプラットフォーム、ステラ・ミディアムを採用する最初のモデルで、BEV(E-3008)と1.2Lエンジンを使用するハイブリッドの2本立てとなっている。これは日本でもそのまま採用されそうだ。
なんといっても特徴は、ロングレンジモデルとなる98kWhのバッテリーを搭載するBEVの航続距離が700kmを誇ることで、標準モデルの73kWhでも最長525kmを謳っている。なおボディサイズは2代目(日本仕様)が全長4450mm、全幅1840mm、全高1630mmであったのに対し、3代目『3008GTハイブリッド』は全長4565mm、全幅1895mm、全高1665mm(展示車数値)とかなり大きくなっており、実車の印象も1クラス上へ成長しているように感じられた。
プジョーの魅力や個性をどうロジカルに作っていくか
この日は、来日したプジョーCEOのリンダ・ジャクソンさん、マーケティングダイレクターのフィル・ヨークさん、ステランティス・ジャパンのフレンチブランドディレクターである小川隼平さんとのラウンドテーブルが設けられ、プジョーの現状や未来を伺うことができた。
*注:2月3日の発表でリンダ・ジャクソンさんはCEOを退任し、後任にアレイン・ファヴェイさんが任命されている。本稿は退任前となる1月30日の取材時点でのものだが、ブランド方針などに変更はないとのこと。
そこで出たキーワードが『アリュール(Allure)』だ。これまで様々なプジョーに採用されてきたグレード名ではあるが、訳すると『魅力』となり、プジョーの魅力や個性をどうロジカルに作っていくかという話になった。

まず現状の顧客をプジョーは、以下の3点を感じていると分析。
1:クルマが似てきている(同一性)
2:テクノロジーやAIの発展によりクルマがロボットに支配されている
3:スピードカメラや様々な法律など複雑な規制が多い
これに対し、以下の3つの価値で喜びを提供するとしている。
1:アリュール=シャープなフレンチデザイン
2:エモーション=iコクピットなどによる直感的な運転体験
3:エクセレンス=妥協のない品質
さらに今後の戦略として4つのキーワードを挙げている。
1:エレクトリック=欧州で最も幅広いメインストリームのEVをラインナップ
2:レスポンシブル=サスティナブルであり、いいパートナーであること
3:ヤング=倫理観が気になる若い世代に訴えかける
4:パフォーマンス
また、ジャクソンさんは顧客がプジョーを選ぶ理由として、3本の爪を描く個性的なライトシグネチャーが象徴するネコ科のエクステリアデザインや、登場から12年が経過し3008から新世代に突入した、iコクピットに代表されるインテリアデザインなどを挙げていた。