ポルシェ、911より上の新型ミドシップ・スーパースポーツカー導入へ 10月15日『ミッションS』公開 エンジン車にも再注力し、大規模な事業再編

公開 : 2026.10.09 07:45

ポルシェが大規模な事業再編計画を発表しました。その一環として『911』の上位に位置するミドシップのスーパースポーツカー、内燃機関搭載SUV、限定生産の特別仕様車を展開します。運営面では大幅な人員削減も。

新型車導入や人員削減など盛り込む

ポルシェは、新たな事業再編の一環として、内燃機関を搭載した新型の「スーパースポーツカー」の導入を検討している。また、内燃機関搭載の新型『マカン』、『カイエン』より上位の大型SUV、そしてハイエンドモデルやフラッグシップモデルの開発にも力を入れる。

同社は2025年の売上高と利益が急減したことを受け、昨年マクラーレンから移籍してきたマイケル・ライターズCEOの指揮の下、大規模な経営再建計画に着手することになった。

今年初めにポルシェの新CEOに就任したマイケル・ライターズ氏。
今年初めにポルシェの新CEOに就任したマイケル・ライターズ氏。

ライターズ氏はこのほど、「Sportwagenschmiede 35」(ドイツ語で「スポーツカー」と「鍛冶場」を組み合わせたもの)と呼ばれる新たな中期戦略を発表した。「ポルシェの効率性、生産性、収益性を大幅に向上させるための基盤を築く」ものだという。

この戦略ではポルシェを「スポーツカーの本拠地」として位置づけ、歴史と伝統に焦点を当てながら、ハイエンドモデルや特別仕様車を追加していく。

ミドシップのスーパースポーツカーを検討中

ポルシェは従来のパワートレイン戦略を修正し、内燃機関、ハイブリッド、EVの各パワートレインへの投資を継続する。ラインナップにおける内燃機関車とEVモデルの比率を、おおむね2対1に保つ方針だ。また、バリエーションの展開数を約20%削減しつつ、中・大型スポーツカーやSUVを含む、「高利益率のD/Eセグメント」分野の拡充を図る。

同時に、開発および業務体制を見直し、組織のスリム化を目指す。開発コストの削減や人員削減を通じて、損益分岐点を20万台未満に引き下げる狙いだ。ライターズ氏は、全体的な目標は「世界で最も魅力的なスポーツカーメーカーの1つとして確固たる地位を築くこと」だと述べた。

ポルシェは911より上位のフラッグシップモデル導入を検討中だ。
ポルシェは911より上位のフラッグシップモデル導入を検討中だ。

ライターズ氏は、『911』の上位に位置づけられる新型ミドシップ・スーパースポーツカーの導入を検討していることを認め、そのモデルは内燃機関のみを搭載すると述べた。詳細については明らかにしなかったが、「スーパースポーツカー用のプラットフォームを開発中」であり、兄弟ブランドのランボルギーニなどを直接ベースにすることはないとした。ただし、一部の部品を共有する可能性はあるという。

『ミッションS』と名付けられたコンセプトカーは、10月15日に公開される予定だ。

内燃機関版マカンや米国向け大型SUVも計画

また、『マカン・エレクトリック』と並んで展開される、新たな内燃機関搭載SUVを発売することも明らかにした。2028年に登場予定で、ガソリン車とハイブリッド車を用意し、フォルクスワーゲン・グループのプラットフォームを採用する。AUTOCARが以前報じた通り、このプラットフォームはアウディQ5と共通のPPCである。

2028年には、『718ボクスター』と『718ケイマン』の次世代モデルも登場する。純粋なEVとして発売され、ポルシェは新開発のプラットフォームを内燃機関に対応させる計画を断念した。

ポルシェ・マカン・エレクトリック
ポルシェ・マカン・エレクトリック

一方、カイエンより上位に位置し、収益性の高い米国市場をターゲットとする新型の内燃機関搭載大型SUVの計画を進めている。全体として、製品ラインナップの約45%をハイエンドの「D/Eセグメント」モデルとする。

ライターズ氏はまた、911の「非常にエモーショナルな派生モデル」の開発計画に取り組んでいることを明らかにした。これらはラインナップの上位に位置づけられる。ポルシェはEVラインナップの拡大を続けるが、ライターズ氏は「911がEVになることは決してありません」と断言した。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ジェームス・アトウッド

    James Attwood

    役職:雑誌副編集長
    英国で毎週発行される印刷版の副編集長。自動車業界およびモータースポーツのジャーナリストとして20年以上の経験を持つ。2024年9月より現職に就き、業界の大物たちへのインタビューを定期的に行う一方、AUTOCARの特集記事や新セクションの指揮を執っている。特にモータースポーツに造詣が深く、クラブラリーからトップレベルの国際イベントまで、ありとあらゆるレースをカバーする。これまで運転した中で最高のクルマは、人生初の愛車でもあるプジョー206 1.4 GL。最近ではポルシェ・タイカンが印象に残った。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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