フォード、2028年にWRCへの復帰を宣言 16年ぶりワークス参戦 Mスポーツと提携、市販車開発にも影響あり

公開 : 2026.10.06 17:25

フォードは2028年にワークスチームを率いて世界ラリー選手権(WRC)に参戦します。現在プライベーターとして活動する英国Mスポーツと提携し、16年ぶりの復帰を果たします。ラリーカーの技術やデザインは市販車にも。

モータースポーツ活動を本格化

フォードは、2028年にワークスチームを率いて世界ラリー選手権(WRC)に復帰することを宣言した。撤退から16年を経て、ラリーの最高峰の舞台へ舞い戻る。

1978年から2012年までの活動期間と同様、メーカーとして同シリーズに参戦する。パートナーとなるのは英国カンブリアを拠点とするMスポーツ(M-Sport)で、これまでフォードからの技術支援を受けながら、プライベーターとして「フォード・ワールド・ラリー・チーム」を運営してきた。

フォード・レーシングが2028年にWRCへワークス参戦する。
フォード・レーシングが2028年にWRCへワークス参戦する。    フォード

WRCへの復帰により、フォードはモータースポーツ活動における数少ない空白の1つを埋めることになる。現在、F1、世界耐久選手権(WEC)、IMSAスポーツカー選手権、ダカール・ラリー、NASCARなどに参戦しており、同社は世界のレースシーンにおいて存在感を高めつつある。

また、この発表は、ラリーの伝統を欧州市場向けの新型車ラインナップのデザインや走行性能に反映させようとしているタイミングとも重なる。このラインナップには、ラリーでの成功に極めて重要な役割を果たした『フィエスタ』と『フォーカス』の後継モデルが含まれる予定だ。

フォードは、「WRCで戦うために必要なパフォーマンスと技術力が、この新型市販車ラインナップの形成に寄与する」とし、「オフロードのDNAとラリーで培われた伝統を融合させる」と述べている。

得られたノウハウは市販車開発にも活用

ラリーカーの開発で得たノウハウは、市販車開発で「欧州の『完璧ではない道路』を攻略する」のに役立つという。

フォードの欧州責任者ジム・バウムビック氏は、「欧州の道路ではごまかしは通用しません。だからこそ、クルマのレスポンスとハンドリングが重要です。WRCはコントロール性とドライバーのエンゲージメントを測る究極の試験場であり、まさにその精神と教訓を、わたし達は次世代の市販車に注ぎ込んでいるのです」と述べた。

WRCに参戦していたフォード・フォーカス
WRCに参戦していたフォード・フォーカス

バウムビック氏は記者団に対し、市販車とラリーカーの開発プログラムを具体的に結びつけるという姿勢を強調した。それは単に技術的な理由だけでなく、エンスージアスト向けのモデルを作るというブランドの個性を強めるためでもある。

「フォードでは『ラリー育ち(rally-bred)』という言葉を掲げていますが、これは単なるマーケティングのキャッチフレーズではありません。わたし達の基本的な考え方、哲学として、ラリーがもたらす感情、魂、レスポンス、そして性能をクルマに落とし込むことをお客様に約束する言葉です。そして、最も重要な場所でそれを証明する必要があるのです」とバウムビック氏は語った。

「わたし達が目指していること、その使命は、ラリーイベントで走行する車両を見たときに感じるあのスリル、あの一体感を、お届けすることです」

記事に関わった人々

  • 執筆

    フェリックス・ペイジ

    Felix Page

    役職:副編集長
    AUTOCARの若手の副編集長で、大学卒業後、2018年にAUTOCARの一員となる。ウェブサイトの見出し作成や自動車メーカー経営陣へのインタビュー、新型車の試乗などと同様に、印刷所への入稿に頭を悩ませている。これまで運転した中で最高のクルマは、良心的な価格設定のダチア・ジョガー。ただ、今後の人生で1台しか乗れないとしたら、BMW M3ツーリングを選ぶ。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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