ポルシェ、911より上の新型ミドシップ・スーパースポーツカー導入へ 10月15日『ミッションS』公開 エンジン車にも再注力し、大規模な事業再編

公開 : 2026.10.09 07:45

バリエーション拡充とハイエンドへの注力

量より質を重視する戦略の一環として、ポルシェは最上位モデルの平均販売価格を約20%引き上げることを目指す。しかしライターズ氏は、単に価格を引き上げるのではなく、顧客にとっての価値を高めることで達成すると強調した。その上で、各モデルの販売台数を約30%増加させる。

これには、「ヘリテージ・デザイン」のラインナップ拡充、限定生産の「マニュファクチャー」モデル、カスタマイズプログラム「ゾンダーヴンシュ」に加え、ポルシェ傘下のチューニングメーカーであるマンタイによる限定モデルなども含まれる。また、超限定生産のモデルも増やす予定であり、ポルシェによると、ゾンダーヴンシュが開発した完全オーダーメイド車の最高価格は1300万ユーロ(約23億円)を超えたという。

ポルシェ・フラッハバウRS
ポルシェ・フラッハバウRS    ポルシェ

ポルシェは最近、ゾンダーヴンシュ・プログラムで実現できることの一例として、ワンオフモデルの『フラッハバウRS』を発表している。

ライターズ氏は「あらゆるセグメントにおいて、最もスポーティなクルマを提供したい」と述べた。2030年までに毎年「ブランドを定義づける新製品を少なくとも1つ」発売するという。

運営体制も大幅に刷新、開発コスト20%削減へ

損益分岐点を引き下げるために、事業運営面でも改革を進める。将来の車両開発コストを最大20%削減することを目標に、開発期間の短縮、モジュール化された開発プロセスの導入、そしてシミュレーションソフトウェアやAIの活用拡大を行う。

その一方で、複数の内燃機関車、ハイブリッド車、PHEV、そしてEVを含む、幅広いパワートレイン技術への投資を継続する。

ポルシェ・カイエン・エレクトリック
ポルシェ・カイエン・エレクトリック    ポルシェ

また、ポルシェは人件費を約30%、販売・流通費を約20%削減する。後者については、販売地域を5つから4つに再編することで一部達成される見込みだ。さらに、ブガッティ・リマックへの出資分、コンサルティング会社MHP、および電動自転車事業など、複数の事業に対する所有権や出資を売却した。

管理職を約40%と大幅に削減し、中期的には従業員数を30%削減する方針だ。これには、ツッフェンハウゼン工場とライプツィヒ工場での人員削減が含まれる。労働組合と合意した枠組み「フューチャー・パッケージ」に基づき、9000人の雇用を「社会的責任を伴う形で削減」する。

世界的には、各市場でのシェアの均衡化を図っており、ライターズ氏は、かつて最大の市場であった中国での販売回復を急ぐつもりはないと述べた。米州と欧州でそれぞれ売上高の約35%、中国およびその他の市場でそれぞれ約15%を達成することを目指す。

中期的にはグループ売上高利益率を9%から12%に、長期的には15%に引き上げる目標だ。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ジェームス・アトウッド

    James Attwood

    役職:雑誌副編集長
    英国で毎週発行される印刷版の副編集長。自動車業界およびモータースポーツのジャーナリストとして20年以上の経験を持つ。2024年9月より現職に就き、業界の大物たちへのインタビューを定期的に行う一方、AUTOCARの特集記事や新セクションの指揮を執っている。特にモータースポーツに造詣が深く、クラブラリーからトップレベルの国際イベントまで、ありとあらゆるレースをカバーする。これまで運転した中で最高のクルマは、人生初の愛車でもあるプジョー206 1.4 GL。最近ではポルシェ・タイカンが印象に残った。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

関連テーマ

おすすめ記事

 

Google検索で『AUTOCAR JAPAN』の記事を見つけやすくする方法

人気記事