なぜ『911 GT3』はファンに愛されるのか ポルシェGT部門責任者に聞く(前編) 約25年に渡り伝説を作り続ける中心人物

公開 : 2026.08.25 17:05

ポルシェのGT部門を約25年にわたり率いてきたアンドレアス・プレウニンガー氏に単独インタビューを実施。「ヒット作」を生み出す秘訣や顧客との心温まるエピソード、今後のGTモデルの展開についてじっくりと聞きました。

ポルシェの「ヒットメーカー」に単独インタビュー

英国シルバーストーンのポルシェ・エクスペリエンス・センターには、ポルシェの英国進出75周年を祝う「サンステッド・フェスティバル」の開催に伴い、大勢の観客が集まった。

熱狂的なポルシェファンである来場者たちにとって、ポルシェのGT部門責任者として数多くのヒット作を生み出してきたアンドレアス・プレウニンガー氏は、もはや音楽フェスティバルにおけるロックスターのような存在だろう。

ポルシェのGT部門責任者アンドレアス・プレウニンガー氏
ポルシェのGT部門責任者アンドレアス・プレウニンガー氏    AUTOCAR

AUTOCARのインタビュー後、彼はすぐに会場内へ飛び込み、展示車両(その多くは彼自身の「ベストヒット」アルバムに収録されているモデル)を見たり、来場者と交流したりした。夜になるとメインステージに上がり、オーナーたちとの懇談会に参加した。

今世紀に入って以来、約25年間にわたりGT部門を率いてきたプレウニンガー氏。初対面の相手には少し人見知りしてしまうそうだが、ポルシェファンからの熱烈な支持には心を和らげ、「非常に光栄で、大きなやりがいを感じる」と語る。自身の手掛けたGTモデルをベースに、「ほぼ宗教のようなものが築き上げられている」という。

プレウニンガー氏は、「このポルシェファミリーは実に特別な存在です。彼らがわたしをGTモデルのプロジェクトマネージャーとして認め、祝福し、応援してくれる姿を見ると、日々の仕事も報われるような気がします」と語った。

顧客は鏡! 徹底した「傾聴」の姿勢

プレウニンガー氏はファンと話す際、必ず相手の言葉に耳を傾けるようにしている。そして、自身が育て上げたGT部門のチームメンバーにも同じ姿勢を徹底させている。顧客は「鏡」であり、GT部門と顧客は皆、同じものを求めているという。

「英国のお客様、米国のお客様、ドイツのお客様と話すと、ほとんど全員がクルマに対して同じ特別な特性を求めていることがわかります。わたしのチームメンバ-も皆、そうしたクルマのファンです。わたし達が気に入るクルマなら、お客様もきっと気に入ってくれるだろうと99.99%確信できます。ごく単純なことですが、大事なことです」

プレウニンガー氏はGT部門から数多くの名車を生み出してきた。
プレウニンガー氏はGT部門から数多くの名車を生み出してきた。

プレウニンガー氏は、5年前に7つの地域、10か国の約5000人のオーナーを対象に実施した調査を振り返る。アンケートでは、クルマの使い方や、今後の製品開発に何を期待しているかを尋ねた。結果は満場一致だったという。

「誰もが、自分と対話し、充実したドライビング体験につながるようなクルマを望んでいました。瞬時にクルマの状態を正確に伝えつつ、透明性、真正性、誠実かつ純粋な感覚を備えていること。住んでいる地域に関係なく、誰もが口を揃えてこう言うのです」

記事に関わった人々

  • 執筆

    マーク・ティショー

    Mark Tisshaw

    役職:編集者
    自動車業界で10年以上の経験を持つ。欧州COTYの審査員でもある。AUTOCARでは2009年以来、さまざまな役職を歴任。2017年より現職の編集者を務め、印刷版、オンライン版、SNS、動画、ポッドキャストなど、全コンテンツを統括している。業界の経営幹部たちには定期的にインタビューを行い、彼らのストーリーを伝えるとともに、その責任を問うている。これまで運転した中で最高のクルマは、フェラーリ488ピスタ。また、フォルクスワーゲン・ゴルフGTIにも愛着がある。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

ポルシェGT部門責任者アンドレアス・プレウニンガー氏に単独インタビューの前後関係

前後関係をもっとみる

関連テーマ

おすすめ記事

 

Google検索で『AUTOCAR JAPAN』の記事を見つけやすくする方法