プレミアム志向のハイブリッドセダン登場 スマート新型『#6』初公開 電気だけで280km走れるPHEV

公開 : 2025.12.10 17:05

スマートが新型PHEVセダン『#6』を発表しました。同ブランド初のセダンであり、また史上最大のモデルでもあります。EVバージョンも来年登場予定で、中国だけでなく欧州市場での販売も検討されています。

全長4.9m、スマート史上最大サイズ

スマートは、新型のプラグインハイブリッドセダン『#6 EHD』を発表した。同ブランド史上最大のモデルとなる。

新型#6はスマート初のセダンであり、今年初めに中国で発売された新型SUV『#5』に続く2台目のPHEVモデルとなる。来年にはフル電動モデルも登場予定だ。EHDという名称は、ハイブリッド車であることを示す「Electric Hybrid Drive」の頭文字だ。

ブランド初のハイブリッドセダン『#6』
ブランド初のハイブリッドセダン『#6』    スマート

中国以外での販売については未確定だが、世界的なEV需要停滞を受け、販売拡大策の一環として中国からの輸出も検討しているようだ。欧州では、スマートは現在EV専用ブランドとして展開している。

スマート#6は、ブランドの原点である都市型コンパクトカーとは決定的に異なるモデルだが、ショートオーバーハングや空力性能を重視したプロファイルなど、伝統的なデザイン要素を引き継いでいるという。

インテリアはまだ公開されていないが、#5と同様の仕様となる見込みだ。#5には13インチのセンタータッチスクリーンと10.25インチのデジタルドライバーズクラスターが搭載されている。

#6のボディサイズは、全長4906mm、全幅1922mm、全高1508mm、ホイールベース2926mmとなっている。2023年に中国で発売されたジーカー07とよく似たプロポーションで、BYDシールDM-iやシャオミSU7などと競合することになりそうだ。

吉利汽車の『PMA2+』プラットフォームを採用する車両の中では、最も全長が長い部類に入る。

435psのハイブリッド搭載

パワートレインは、1.5L直列4気筒ターボガソリンエンジン(単体で163psを発生)と電気モーターを組み合わせた吉利汽車の『NordThor Hybrid 2.0』を採用した。3速トランスミッションはハイブリッド専用(DHT)で、スマートの発表によれば総合出力435psに達するという。

バッテリー製造大手のSVOLTとCATLが供給するリン酸鉄リチウム(LFP)バッテリーにより、約285kmのEV走行と、総航続距離1810kmを実現(中国CLTCモード)。燃費は25.6km/lとされる。

ブランド初のハイブリッドセダン『#6』
ブランド初のハイブリッドセダン『#6』    スマート

#6が採用するPMA2+プラットフォームは400V/800Vの両電圧システムに対応し、最大400kWの超急速DC充電が可能だ。

#6のフル電動バージョンは来年中国で発売される予定で、75kWhのLFPまたは94kWhのニッケルマンガンコバルト(NMC)バッテリーが搭載される。

EVラインナップの中核となるのは後輪駆動モデルだ。エントリーグレードの『#6プロ』は400Vアーキテクチャーを採用し、75kWhバッテリーで345psを発生する。『#6プロ+』と『#6プレミアム』は800Vシステム、94kWhバッテリー、368psのモーターにアップグレードされる。

上位グレードはデュアルモーター/四輪駆動の構成となり、合計596psの『#6パルス』と、655psの『#6ブラバス』が展開され、いずれも94kWhバッテリーを搭載する。

スマートは1994年にメルセデス・ベンツの小型車ブランドとして設立されたが、現在はメルセデス・ベンツと中国に本社を置く吉利汽車による50:50の合弁会社となっている。

2027年には、『フォーツー』の後継車として『#2』が登場する見込みだ。『フォーフォー』の後継車も開発されている可能性がある。

記事に関わった人々

  • 執筆

    グレッグ・ケーブル

    Greg Kable

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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