誕生 スマート#5 ブラバス(1) 今やプレミアムSUV主軸のメーカー ライバルはメルセデスEQBやBMW iX3

公開 : 2026.01.29 18:05

新生スマートの旗振り役となる#5 航続距離は94kWhで589km  最大426kWの急速充電 #1より定まったデザイン的な独自性 ブラバスは総合646ps カーブでの優れた安定性 UK編集部が試乗

#1より定まったデザイン的な独自性

全長4705mm、最高出力646psの電動SUVを、スマートだと感じるようになるまで、短くない時間は必要だろう。低燃費で小気味良い走りの小型車を得意としたブランドは、プレミアムSUVが主軸のメーカーへ生まれ変わった。

ロータスやMGも、大転換を遂げている。過去にすがる事はできない。メルセデス・ベンツジーリー・ホールディングスによる共同経営の中で、市場規模の大きいカテゴリーでのラインナップ拡大は順調に進んでいる。これが、次代のスマートなのだ。

スマート#5 ブラバス(英国仕様)
スマート#5 ブラバス(英国仕様)

その旗振り役となるのが、今回試乗した#5。デザイン的な独自性は、先に販売されている#1や#3より定まったといえる。プロポーションは従来的ながら、フォルムは特徴的でもある。前後に配された楕円4灯のマーカーなど、ライトの処理にも個性を感じる。

全長は4705mmで、ライバルとなるのは、メルセデス・ベンツEQBBMW iX3。それらと並んでも、劣らず都会的なSUVへ見えると思う。

急速充電は最大426kW ブラバスは総合646ps

スマートの強みとなるのが、電圧800Vで稼働する高度な電動パワートレイン。急速充電は、最大426kWと驚異的な速さを誇る。駆動用バッテリーは94.0kWhと大容量だが、理想的な環境なら10分程度で回復できる。

最もベーシックな#5でも、稼働電圧は400Vで急速充電は150kW。バッテリーは74.4kWhへ小さくなるが、航続距離は463kmがうたわれる。実際のところ、350kW以上の電力を供給できる急速充電器は、英国ではかなり珍しい。

スマート#5 ブラバス(英国仕様)
スマート#5 ブラバス(英国仕様)

駆動用モーターは、お手頃なプロ・グレードではシングルの339ps。その上に363psの設定がある。パルスかサミット・エディションを選ぶと、ツインモーターになり総合587psへ上昇。ブラバス・グレードには、総合646psが与えられる。

想像以上に広々の車内 高級感の高い内装

車内は、想像以上に広々。従来のフォーツーのパッケージングから着想を得たとデザイナーは主張するが、納得できる。タイヤはボディの四隅に配され、駆動用バッテリーが敷かれるフロアは完全にフラット。スクエアなフォルムも、効果を発揮している。

乗員空間にはゆとりがあり、小物入れは合計32か所あるとか。身長175cmの筆者に運転席を合わせた状態で、その後ろの席へ座っても、膝前に20cmの空間が残されていた。荷室容量は630Lと広い。前方のボンネットを開くと、74Lの収納がある。

スマート#5 ブラバス(英国仕様)
スマート#5 ブラバス(英国仕様)

内装は、同クラスでは高級感が高い側。肌触りの良い素材が要所に用いられ、数は少ないが物理スイッチのタッチもソリッドで、配置も考えられている。家族4名での長距離移動を、快適にこなせるはず。

ちなみに、ブラバス仕様を選ぶと、カーボン風トリムやレッドのアクセントがあしらわれる。スポーティといえるが、通常の内装の方がプレミアム感は勝るように思う。

記事に関わった人々

  • 執筆

    イリヤ・バプラート

    Illya Verpraet

    役職:ロードテスター
    ベルギー出身。AUTOCARのロードテスターとして、小型車からスーパーカーまであらゆるクルマを運転し、レビューや比較テストを執筆する。いつも巻尺を振り回し、徹底的な調査を行う。クルマの真価を見極め、他人が見逃すような欠点を見つけることも得意だ。自動車業界関連の出版物の編集経験を経て、2021年に AUTOCAR に移籍。これまで運転した中で最高のクルマは、つい最近までトヨタGR86だったが、今はE28世代のBMW M5に惚れている。
  • 執筆

    フェリックス・ペイジ

    Felix Page

    役職:副編集長
    AUTOCARの若手の副編集長で、大学卒業後、2018年にAUTOCARの一員となる。ウェブサイトの見出し作成や自動車メーカー経営陣へのインタビュー、新型車の試乗などと同様に、印刷所への入稿に頭を悩ませている。これまで運転した中で最高のクルマは、良心的な価格設定のダチア・ジョガー。ただ、今後の人生で1台しか乗れないとしたら、BMW M3ツーリングを選ぶ。
  • 執筆

    スティーブン・ドビー

    Stephen Dobie

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋けんじ

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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