名残惜しき『マツダ1.8ディーゼル』 最後に3ファストバックとCX-30を取材した話 日頃のアシとして最高の1台【日本版編集長コラム #104】

公開 : 2026.10.18 12:05

室内のインターフェイスは古さを隠せない

今回取材することになったのは、『3ファストバックXDドライブエディション』(2WD/価格317万7900円)と『CX-30XDドライブエディション』(4WD/価格359万7000円)の2台。ちなみにこれらは昨年10月発表の『スポーティで上質な』グレードで、CX-5、CX-60、CX-80と合わせて5車種に採用されたものだ。

3とCX-30は2019年にいずれも『新世代商品』として登場したのだが、8年目となり、さすがに大型のディスプレイがない室内のインターフェイスは古さを隠せない。しかしそれが魅力減になるかといえばそうでもなく、個人的にはタッチパネルよりも物理スイッチのほうが使いやすい。

取材車のボディカラーはプラチナクォーツメタリックで、色合いが絶妙。
取材車のボディカラーはプラチナクォーツメタリックで、色合いが絶妙。    佐藤亮太

その感覚はディーゼルエンジンも同様だ。やはりそれなりにカラカラ音はするし、モーターのスムーズな感触とは逆に位置し、乗っているとどうしても古さを感じてしまう。しかし力強い走りは頼もく、燃費面ではガソリンエンジンより有利だ。

例えば3は燃料満タンで走行可能距離が900km近くを表示し、高速だけなら燃費は20km/Lを優に超えてくる。参考までに期間中の平均燃費は3が18.4km/L、CX-30が19.0km/Lであった。

スペックはいずれも最高出力130ps/最大トルク27.5kg-mだが、3が車重1420kg/2WD、CX-30が車重1540kg/4WDという違いが、そのまま印象の違いとなって現れている。簡単に書けば3は軽快でテンポよく走り、CX-30は安定感がある走りで、ディーゼルらしい落ち着いた雰囲気もあった。

アテンザのワゴン+ディーゼル+4WDを思い出す万能感

好みの話で書けば、今回はCX-30の雰囲気がかなり響いた。以前ディーゼルがほぼ全車に搭載されていた頃、最強のマツダ実用車はアテンザ(後のマツダ6)のワゴン+ディーゼル+4WDだと思っていて、それに近い万能感があった。これでマニュアルトランスミッションなら完璧だ。

CX-30の万能話を続けると、人も荷物もそれなりに載せることができ、機械式駐車場にも入る全高1540mmのボディは、日本の公道で実に使いやすいサイズ。欠点らしい欠点もなく、18インチのタイヤを履く足まわりが若干バタバタするものの、これは乗っていて慣れた。

次に取材した『マツダCX-30XDドライブエディション』。ボディカラーはジルコンサンドメタリック。
次に取材した『マツダCX-30XDドライブエディション』。ボディカラーはジルコンサンドメタリック。    平井大介

魂動デザインのスタイルも好みにあうものだ。特に3は素直にカッコイイと思わせるもので、その分、乗り降りの利便性に若干支障をきたしているのも笑って許せる範囲。このスタイルだけで購入の理由になり得ると思う。

ボディカラーも絶妙で、CX-30のジルコンサンドメタリックは、年配の女性からいきなり「これいい色ね~。なんていうクルマ?」と話しかけられたほど。3のプラチナクォーツメタリックも意外と汚れが目立たず、実用性が高いことに気がついた。

これは最大の褒め言葉として、両車とも『欧州でクラスだけ指定して割り当てられたレンタカーが、乗ってみたら思いのほかよかった』感覚だ。これは日頃のアシとしては最高の1台なのではないか、とも感じた。もちろん実用性の高いディーゼルであることも、この心地よさを後押している。

というわけで、名残惜しいマツダ・スモールモデル群のディーゼル販売終了だが、時代を考えれば致し方ないところだろう。そして気になるのはその後継ということで、次回、商品改良版CX-30に搭載された2.5Lは……という話に続きます。

記事に関わった人々

  • 執筆 / 撮影 / 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。
  • 撮影

    佐藤亮太

    Ryota Sato

    1980年生まれ。出版社・制作会社で編集経験を積んだのち、クルマ撮影の楽しさに魅了され独学で撮影技術を習得。2015年に独立し、ロケやスタジオ、レース等ジャンルを問わない撮影を信条とする。現在はスーパーカーブランドをはじめとする自動車メーカーのオフィシャル撮影や、広告・web・雑誌の表紙を飾る写真など、様々な媒体向けに撮影。ライフワークとしてハッセルブラッドを使い、生涯のテーマとしてクラシックカーを撮影し続けている。佐藤亮太公式HPhttps://photoroom-sakkas.jp/ 日本写真家協会(JPS)会員

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