フォルクスワーゲン・パサートTSIハイライン

公開 : 2015.06.29 10:56  更新 : 2022.12.12 21:29

■どんなクルマ?

フォルクスワーゲンの中型モデル、パサートの8代目。昨年秋のパリ・サロンでデビューし、日本では6月25日からワゴンのバリアントともども受注開始となった。

新型パサートで強調されるのは、‘プレミアム’ である。メルセデスやBMW並みの高級感を得ることを最大の課題にしているのだ。

なるほど、実物はアウディもかくやのLEDライトとクロームが妖艶に輝き、ワイド&ローが強調されたエクテリアは、フォルクス(国民)というより、エリートっぽい。

基本的には7代目に似ているけれど、試合前のボクサーのように研ぎすまされている。ボディ・サイズは先代に較べて、全長で5mmだけ短くて、12mm幅広く、2mmだけ低い。つまり、それほど変わらない。なのに見た目は劇的にスタイリッシュだ。

グリルが異なっていたら、アウディと見紛うばかり。

水平基調を印象づける前後の意匠と、サイドのキャラクターラインが効いている。シャープでエッジの効いた線と面。前後オーバーハングは切り詰められ、ホイールベースは先代の2712mmから2791mmへと一気に79mmも延ばされている。

真横から見ると、ビッグ・キャビン、ショート・ノーズのモダンなプロポーションを得ていることがわかる。端正で美しい。機能的である。室内は33mm全長が拡大し、荷室も増えている。

プラットフォームは、予告通り、7代目のゴルフで導入されたエンジン横置き用のMQBを採用している。パワートレインとスカットル周辺をポロからゴルフ、パサートまで共通化することで、開発期間を短縮し、コストを劇的に下げる。下げた分は品質や装備の向上に回す。

記事に関わった人々

  • 今尾直樹

    Naoki Imao

    1960年岐阜県生まれ。幼少時、ウチにあったダイハツ・ミゼットのキャビンの真ん中、エンジンの上に跨って乗るのが好きだった。通った小学校の校長室には織田信長の肖像画が飾ってあった。信長はカッコいいと思った。小学5年生の秋の社会見学でトヨタの工場に行って、トヨタ車がいっぱい載っている下敷きをもらってうれしかった。工場のなかはガッチャンガッチャン、騒音と金属の匂いに満ちていて、自動車絶望工場だとは思わなかったけれど、たいへんだなぁ、とは思った。

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