【9代目はワゴン専用】新型フォルクスワーゲン・パサートを800kmテスト!今こそ見直したいSUVとは違う魅力
公開 : 2025.02.27 11:25 更新 : 2025.03.01 15:08
9代目フォルクスワーゲン・パサートが、日本に導入されています。SUV人気の中、ワゴン専用ボディで勝負してきました。日本仕様も3つのパワートレインを用意し、意気込みが感じられます。内田俊一が800km試乗した印象をレポートします。
ワイドバリエーションで導入
フォルクスワーゲン・パサートは1973 年の発売以来、50 年以上の歴史を誇るロングセラーモデルで、累計3400 万台以上が販売されてきた。そして9 世代目となる新型パサートは主要マーケットである欧州市場のトレンドにより、ワゴンボディ専用モデルとして登場。この度、日本にも導入が開始されたので、早速800kmほど試乗に借り出してみた。
日本に導入されるパサートは、1.5L直列4気筒ターボに48V マイルドハイブリッドを組み合わせたFWDの『eTSI』、同じく1.5L直4ターボにプラグインハイブリッドを組み合わせたFWDの『eハイブリッド』、そして2.0L直4ディーゼルターボの4WD(4モーション)である『TDI』をラインナップ。今回テストしたのはeTSIの中間グレードである『エレガンス』だ。

1.5L直4ターボエンジンは、燃焼プロセスに高効率なミラーサイクルを採用し、さらにガソリン用可変ジオメトリターボを組み合わせるなどして、省燃費とトルクレスポンスを両立させた最新スペックのユニット。また、気筒休止とコースティング時のアイドルストップ時間を拡大したアクティブシリンダーマネジメント(ACT)も備わっている。
ボディサイズは全長4915mm(先代4785mm)、全幅1850mm(1830mm)、全高1500mm(1510mm)、ホイールベースは2840mm(2790mm)と、特に全長はかなり長くなったが、その多くはホイールベース、即ち室内と荷室に充てられている。特に荷室は最大1920Lと広大だ。
大きくなったが、街中での取り回しは悪くない
乗り始めての第一印象は、全てがスムーズということ。アクセルペダルのストロークが結構深いので、慣れないうちは踏み込み量が足りなくてクルマ自体が鈍い印象を持ちがちだが、しっかりと踏み込むようすれば、決して非力さも感じずに、思うままに速度をコントロールできる。
大きくなったボディではあるが、街中での取り回しは悪くない。特に視界は良好であり、また、先代から引き続きボディマウントされたドアミラーのため、右前方の死角が減り、例えば横断歩道を渡っている歩行者の確認がしやすいことなども、運転のしやすさに繋がっている。ブレーキペダルを踏み込んだ際のフィーリングもスムーズだった。

使い勝手という視点では、近年、ステアリングスイッチはどんどん多くなってきているが、フォルクスワーゲン系は比較的シンプルでわかりやすく、一度覚えればほぼ見ないで扱えるのは高く評価したい。また、その触感も悪くなかった。
一方、個人的にふたつ気になったところがある。ひとつはシフトだ。ステアリングポスト右側にレバーがあり、ダイヤルを前に回すとD、逆に回すとRという、ID系でも使われるようになったタイプ。しかしこれまでは、Nを起点にすると逆方向となっており、何度もヒヤリとすることがあった。
もうひとつはセンタースクリーンで、ここまで大きい必要性を感じなかった。また、頻繁に使用する、例えばオートホールド機能はスクリーン内ではなく物理スイッチの方が使いやすいし、スライダー式の空調温度調整も使いにくいものだった。
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