メルセデス・ベンツS500カブリオレ

公開 : 2016.05.19 23:40　　更新 : 2017.05.13 12:49

最初はいくつかのシンプルなコマンドがしづらく、タッチパッドやロータリー・コントローラーを直感的に扱えなかったが、これも慣れれば問題なかった。

後部座席は2名の大人が快適に座れる広さである。ヘッドルームも広々としている。標準の電動展開式ウインド・ディフレクターは4名乗車でも作動する。フロントの風のバタつきも最小限である。

さすがに高速域だと、ウインド・ディフレクターを立てた状態でも後席のパッセンジャーの髪は乱れることになるが、リアの窓を閉じれば巻きこみも最小限になる。

ルーフを閉じれば、そこは静粛な空間に様変わりする。高速域でさえ、風切り音やタイヤ・ノイズはどこか違う世界のものになる。たとえひそひそ話をしたとしても、4名全員の耳に届くはずだ。

■「買い」か?

もちろん完璧なクルマではない。ベントレーの4WDの方が、車格に見合った ‘屈強さ’ を感じさせるのは事実だ。それにAMGモデルの方が、もっとアグレッシブでシャープなのは間違いないだろう。

ただ、乗った感じのやわらかさはS500にしかない。静粛性もまた然り。この手のクルマを買う向きのなかには、“最上級グレードじゃなきゃ” と思う者もいるだろうが、S500らしい控えめ(といっていいだろうか?)な味わいも、一度は試してみる価値がある。