歴史に残る「逆反り」リア・ウインドウ・トップ10 (10位〜5位)

公開 : 2017.04.29 06:00  更新 : 2017.06.01 00:21

シトロエン・アミ6の特徴は、鋭く後傾したリア・ウインドウでした。60年代にトレンディだったこのデザインの同類項を集めランキングにまとめました。

存知のように、ファッションとは移り気なものだ。最新の必須アイテムだったものが、次の大きな流行が来るとすぐに時代遅れになってしまう。しかし「逆反り」リア・ウインドウ、つまり後傾したリア・ウインドウほど短命に終わったトレンドが、他にあるろうか? まず50年代にコンセプトカーやデザイン習作に採用され、まもなく量産車に広まったにもかかわらず、主要車種では1962年に登場したいくつかの例を最後に使われなくなってしまった。

70年代を迎えてこれらの生産が終結すると、後傾リア・ウインドウは古臭いものと見なされるようになった。とはいえ、このアイデアが完全に死に絶えたわけではない。1975年にピニンファリーナがアルファ・ロメオのワンオフでそれを復活させたし、トヨタは2000年にレトロなコンパクト・カーにこのモチーフを採用した。

さらに2001年、シトロエンがクサラの後継車に後傾リア・ウインドウを使うという情報が出回ったが、ルノーの2代目メガーヌのスタイルを見たシトロエンは尻込み。ライバルの真似をしたと思われるのを避けて安全策をとり、C4はコンベンショナルなシルエットになった。しかしC4クーペの後傾したリア・ピラーには、アミ6のイメージを復活させたい意図が見え隠れするとも言えるのではないだろうか?

第10位 トヨタ・WiLL Vi(2000年)


21世紀に向けて後傾リア・ウインドウを復活させた唯一のメーカーがトヨタだ。同社は異業種と協業し、ライフスタイルに焦点を当てた「WiLLブランド”」を展開。その第一弾として2000年1月、日本専用車のWiLL Viを発売した。初代ヴィッツの1.3ℓをベースとし、ターゲットは20代から30代前半の女性。後傾リア・ウインドウに加えて、ビードを刻んだボディ・サイド、コラム・シフト、フロントのベンチシートなどを特徴とする。キャンバス・トップをオプションで用意し、さまざまなパステル・カラーのボディ色を揃えたが販売が伸びることはなく、2001年12月で打ち切りとなった。

第9位 シトロエン C60 プロトタイプ(1960年)


後傾リア・ウインドウがシトロエンのチーフ・デザイナー、フラミニオ・ベルトーニのお気に入りのモチーフだったのは明らかだ。そもそもアミは2CVとDSの間を埋めるクルマとして企画されたが、実際には2CVベースだからDSと距離がある。そこでシトロエンはアミとDSの中間に向けて、1960年にC60のプロジェクトをスタート。ここでもベルトーニは後傾リア・ウインドウを採用した。C60は空冷フラット4を積み、ハイドロニューマチックを装備。それが1962年、5ドア・ハッチバックの「プロジェクトF」へと移行したのだが、スタイルがルノー16に似ていることをひとつの理由として、これも67年にキャンセルとなった。改めて仕切り直した「プロジェクトG」から生まれたのがGSである。

第8位 トライアンフ・ゼブ・プロトタイプ(1958年)


後のトライアンフ2000につながるプロジェクトは、1957年に「ゼブ」というコードネームでスタート。1960年の発売を目指した。当初計画は独立式リア・サスペンション、トランスアクスルの前輪駆動、ピラーレス・ボディ、後傾リア・ウインドウといった野心的な内容だったが、ライバル・メーカーが同じようなリア・スタイルのクルマを発表するというスクープ記事が流れ、模倣批判を避けたいトライアンフは見直しを迫られる。スタイル変更が提案されたが経営陣はこれを承認せず、プロジェクトは棚上げとなって、1961年に「バーブ」のコードネームで再スタート。スタイリングにはミケロッティを起用し、24ヶ月という短期間で集中的に開発を進めた結果、1963年のロンドン・ショーでトライアンフ2000がデビューした。