追悼 セルジオ・マルキオンネ 画像で振り返るその人生 後編

公開 : 2018.07.27 19:10  更新 : 2019.05.04 13:03

彼の残したもの

マルキオンネはフィアットクライスラーを再建させるという約束を完全に守った。ビジネスの観点から厳密にいうと、彼の唐突な退職にもFCAは全く動揺しはしなかった。というのも、彼は2019年4月に退任予定であったし、すでに彼なしでも会社がやっていけるように準備してきていたからだ。

FCAはマルキオンネが2018年6月に提示した5カ年計画はマンリーが受け持つとしていた。「台本も説明書もないのです。説明書というものは慣習的で一時的なものです。FCAには、逆境の中でも楽譜無しで演奏するような風土が主導者と従業員たちに根付いています」と、マルキオンネはプレゼンテーションの中で説明した。

2018年1月に行われた、マルキオンネの在職期間最後となる年末収支報告において、モルガン・スタンレーの分析担当アダム・ジョナスはこう述べた。「われわれはあなたのような人物を今までに見たことがありません。あなたは大雑把に言って20億ドル(2223億円)を約720億ドル(8兆円)にまで変えました。何よりそれ以上に重要なのは、あなたとそのチームによって世界中の数十万の家族が豊かになったこと、それからあらゆる場面で懐疑論者たちを打ち負かしたことです」

「だからわたしは、セルジオに神のご加護があるよう願っています。わたしたちは二度とあなたほどのひとに出会うことはないでしょう」

セルジオ・マルキオンネは離婚を経験しており、パートナーのマニュエラ・バッテザートとふたりの息子アレッシオとタイラーが残された。

マルキオンネは頻繁にAUTOCARの取材を受けてくれました。彼のご冥福をお祈りするとともに、ご家族およびご友人に心からのお悔やみを申し上げます。

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