憧れのメルセデス・ベンツを33年落ちで購入 日本で新車登録された『SL 500』 衝撃の配線とルーフ交換!

公開 : 2026.05.02 12:05

英国在住のザグ・ジーさんは、伝説的なメルセデス・ベンツ『SL 500』を中古で購入したものの、目を疑うような修理費用がかかったとのこと。それでも少年時代の憧れを実現できたことに大変満足している様子です。

配線と電動ルーフに不調…

「電気系統の交換だけで数千ポンドかかり、ルーフ機構を動かす12本の油圧シリンダーの交換にも同じくらいかかるでしょう」

英国在住のザグ・ジーさんは、1993年式メルセデス・ベンツ『SL 500』の修理費用について話してくれていたのだが、途中からまるで、まだ何も起こっていないかのように振舞った。筆者は、はっと気付いた。彼の奥様が耳を澄ませているのだ。

ザグ・ジーさんのメルセデス・ベンツSL 500
ザグ・ジーさんのメルセデス・ベンツSL 500    AUTOCAR

「妻がすぐそばにいるんです」とザグさんは小声で囁き、こう続けた。「でも大丈夫。妻にはバレていますから」

まあ、もし知らなかったとしても、今この記事で知っただろう。

ザグさんが語る愛車の配線交換の話は、文字通り衝撃的だ。一部のR129型SLでは、配線を覆うプラスチックの被覆が生分解性なのだが、彼がその事実に気付いたのは不調をきたし始めた時だった。

「プラスチックが乾燥して脆くなり、ボロボロになっていることに気付いたんです。配線がむき出しで、ハーネスを交換するしかありませんでした」

その後、電動式折りたたみルーフにも問題が生じた。

「12本の油圧シリンダーがルーフを上下させています。開けてみると、中はまるでセントラルヒーティングの配管のようでしたよ。すべてに不具合があり、交換しなければいけませんでした」

「配線とルーフの問題を解決するには費用がかかりましたが、とても満足感がありました」

美しいツートーンボディ

中国で育ったザグさんは、少年時代からメルセデス・ベンツを所有することを夢見ていた。

「わたしは1980年代の生まれで、1993年に英国へ移住しました。当時の中国では高級車を見かけることはほとんどありませんでした。だから英国に来て、ポスターでしか知らなかったクルマたちが目の前にあるのを見た時は、とてつもなく興奮しましたね。『こんなクルマ、一体どうやって手に入れられるんだろう?』と思っていました。そしてようやく手に入れられたんです。今でも夢を見ているような気分ですよ」

ザグ・ジーさんのメルセデス・ベンツSL 500
ザグ・ジーさんのメルセデス・ベンツSL 500    AUTOCAR

ザグさんのSL 500は、もともと日本で新車登録され、その後シンガポールへ輸出されてから、2015年に英国へと渡った。

「2022年に、走行距離5万6000kmの状態で購入しました」とザグさんは言う。

「それから1万6000kmほど走らせました。これはマイナーチェンジ前のモデルで、フロントに3つずつ通気口があります。わたしは、ちょっと無骨な雰囲気のあるマイナーチェンジ前のSLの方が好きです。わたしのクルマのようにツートーンカラーの個体が多くありました。一見、分かりにくいかもしれませんが、ボディの下半分は少し濃いめのシルバーなんです」

記事に関わった人々

  • 執筆

    ジョン・エバンス

    John Evans

    役職:特派員
    フリーランスのジャーナリストで、AUTOCAR英国編集部の元スタッフ。姉妹誌『What Car?』誌の副編集長や『Practical Caravan誌』の編集長なども歴任した。元自動車ディーラーの営業マンという経験を活かし、新車・中古車市場や消費者問題について幅広く取り扱っている。近年は、これらのニュースや特集記事に加え、アイスクリーム・ワゴンのDIY方法から放置車両の探索まで、さまざまな記事を寄稿している。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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