もっと世に広めたいと40年以上! 『全日本ダットサン会』会長が語る最大の魅力は、飽きないこと?

公開 : 2026.05.02 11:45

芝浦工業大学は卒業生である全日本ダットサン会会長の佐々木徳治郎氏から『ダットサン211型セダン』(1958年)が寄贈されたことを受け、4月22日に大宮キャンパスで除幕式を行いました。内田俊一のレポートです。

ダットサン211型セダンを寄贈

芝浦工業大学は3月、卒業生から『ダットサン211型セダン』(1958年)が寄贈されたことを受け、4月22日に大宮キャンパスで除幕式を行った。

寄贈したのはサファリモータース会長であり、また、全日本ダットサン会会長である佐々木徳治郎氏。佐々木氏は、芝浦工業大学機械工学科卒業生で、自動車部OBでもある。また、2022年には『ダットサン16型セダン』を寄贈しており、現在は同学豊洲キャンパス本部棟に展示されている。

芝浦工業大学に全日本ダットサン会会長の佐々木徳治郎氏から寄贈された『ダットサン211型セダン』。
芝浦工業大学に全日本ダットサン会会長の佐々木徳治郎氏から寄贈された『ダットサン211型セダン』。    内田俊一

佐々木氏は寄贈に際し、「自分の原点は芝浦工業大学にあるから」とコメントするとともに、「博物館に展示するのではなく、動体保存することで学生も喜ぶだろう」と述べた。

また、芝浦工業大学システム理工学部長・大宮キャンパス長の澤田英行氏は、「父が大工をしており、ダットサントラックを持っていた。そのクルマで大阪万博に連れて行ってもらった」と思い出を披露。

そして、「このダットサンができた1958年は戦後でまだこれからという時代。サイドのモールディングが長く伸び、アメリカのアールデコのようなデザインが施されている。さらにグリルが非常にオーセンティシティをかなり強めており、そこから世界に向けて日本は近代(建築やデザイン)を進めていくという強い主張が感じられるクルマだ」とコメントした。

芝浦工業大学は、大宮キャンパス内に大学の創立100周年記念事業の一環として創発棟を建設。この創発ついて澤田氏は、「いろんな要素が組み合わさった創和ではなく、新しい種、イノベーションが生み出されるという意味を持っている。まさにこのダットサンがその時代に創発されたクルマであり、象徴的に思っている。そして次の世代にしっかりと受け渡して大事にする」と語った。

十分に整備が行き届いたクルマ

佐々木氏とダットサンとの関わりは、大学の自動車部在籍時にまでさかのぼる。

「部車にダットサンがあった。それは114型という860ccのサイドバルブエンジンで、そのクルマでブレーキやエンジンを直したりしていたある日、卒業までに日本一周しなさいという意向により挑戦。故障を直したり、途中でエンジンが焼き付き、ディーラーの軒先を借りてエンジンを下ろしたりして、修理しながら走らせた」

寄贈した佐々木徳治郎氏は芝浦工業大学OBであり、当時は自動車部に在籍していた。
寄贈した佐々木徳治郎氏は芝浦工業大学OBであり、当時は自動車部に在籍していた。    内田俊一

そして卒業後もOBとして集まりながら、「ダットサンという大切なクルマをもっと世に広めてたい」と『全日本ダットサン会』を創設し、昨年40周年を迎えたわけだ。

そのダットサンの魅力について佐々木氏は、「飽きないところ」だという。「整備をしたエンジンだと静かにトトトトと、ものすごく静かに流れるようなエンジン音になるのが良く、そんな印象のまま走るのですごく気持ちが良い」とその印象を語る。

当日もキーをひねるとエンジンが始動。アイドリングも安定し、振動やタペット音なども皆無だ。その後、クランク棒を使っても一発で始動するなど、十分に整備が行き届いたクルマであることが感じられた。

今回寄贈した211型セダンは、部品商から譲られたものだという。

「ダットサンが好きなんだったらあげるよと無償でいただいた。大事にしてくれるだろう、間違っても売ったりして商売にはしないだろうと信用してもらえた」と語り、無償で譲られたのだから、今回も無償で寄贈することにしたそう。

実は、佐々木氏が初めて出会った114型は今回寄贈した211型セダンの前身にあたり、形は近いもののエンジンや足回りが違うという。佐々木氏は、「本当は114型、自分たちが遊んだクルマを寄贈したかったが、なかなか縁がなかった」とのことだった。

記事に関わった人々

  • 執筆 / 撮影

    内田俊一

    Shunichi Uchida

    日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員。1966年生まれ。自動車関連のマーケティングリサーチ会社に18年間在籍し、先行開発、ユーザー調査に携わる。その後独立し、これまでの経験を生かしてデザイン、マーケティング等の視点を中心に執筆。長距離試乗も得意であらゆるシーンでの試乗記執筆を心掛けている。クラシックカーの分野も得意で、日本クラシックカークラブ(CCCJ)会員でもある。現在、車検切れのルノー25バカラとルノー10を所有。
  • 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

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