クルマの板金 直面する後継者の育成問題 英名門に密着

公開 : 2018.09.02 08:40

もっと若い血を!

G&Aファブリケーションの仕事は増加中だ。「最近ではロードカーとレーシングカーの仕事のバランスは半々です」とローレンス・ケットはいう。

「金曜に修理を完了したレーシングカーが、週末にクラッシュして月曜に戻ってくるなんてことも何回かありましたね。仕事がなくなるなんて心配はありません。悩みの種はグレースのような後継者を見つけることですよ。新しいひとが全然こないんです」

これはいくつかの要素があるとわたしは思う。ケットのやっているようなビジネスは多くない。航空機業界はもはやこの分野の人財育成を行っていない。航空機がコンポジット素材に変わったことが主因だ。それに実習生を受け入れるのは驚くほど金がかかる。

金がかかるだけではなく、手間も大変だ。ケットのような人間が時間と情熱をかける必要がある。彼の弟子はグレース・ローフだけではない。ジャック・レナードという若者もいる。やはり優れた技術を持ち、日ごとに仕事に熟達してきている。

だから、もしウォルトン・オン・テムズのスーパーの駐車場で250GTOをぶつけたら、あなたはラッキーだ。すぐそこにスペシャリストがいるのだから。

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