新型スープラ 開発責任者のことばを紐解く トヨタが考えるFR像とは

2019.01.06

昨年末の新型トヨタ・スープラ・プロトタイプ取材では、開発責任者の方にお話しを伺うことができました。多田哲哉さんが譲れなかった点、86の開発で思い知らされたこととは?

text: Hiromune Sano(佐野弘宗)
photo: Keisuke Maeda(前田恵介)

もくじ

「内外装はスープラ専用」
たんなるZ4への便乗ではない
「後からではどうにもならない」パッケージ
楽しいクルマ 「ニュルよりも……」

「内外装はスープラ専用」

新型スープラは年明け早々のデトロイトショーで公式デビューする予定であり、カムフラージュを施したプロトタイプによるメディア向け試乗会も国内外で開催された。ただ、そんな2018年末の取材時点でも「具体的な数字は明かさない」、そして「兄弟車の新型BMW Z4にかかわるコメントはいっさいしない」という態度をトヨタはくずしていない。

もっとも、新型スープラにまつわる数値で、現時点で明らかになっているものがひとつだけある。それは86に続いてスープラでも開発責任者をつとめる多田哲哉氏が「(昨年3月の)ジュネーブショーで思わずしゃべっちゃった」と笑うホイールベースだ。スープラのそれは2470mm。ご想像のとおりZ4と同寸である。

このことからも分かるように、新型Z4とスープラは基本ハードウェアを共用する。実際の基本設計作業や生産技術の開発はBMWが担当。生産は2台ともオーストリアのマグナ・シュタイア社に委託される。

見るかぎりボディパネルはすべてスープラ専用だし、室内のカムフラージュ用黒幕からのぞくダッシュボードも写真で見るZ4とは別物だ。事実、多田氏も「内外装デザインはすべてスープラ専用」と語っている。この点はバンパーやランプ類その他、細部部品のみの差別化にとどまる86/BRZと大きく異なる。まあ、そもそもZ4が電動格納ハードトップのロードスターなのに対して、スープラはクーペというボディ形式からしてちがうが……。

記事に関わった人々

  • 佐野弘宗

    Hiromune Sano

    1968年生まれ。大学卒業後、ネコ・パブリッシング入社。カー・マガジン等で編集作業に携わるうちに3年遅れで入社してきた後藤比東至と運命的な出逢いを果たす。97年、2人でモンキープロダクションを設立するべく独立。現在はモータージャーナリストとして「週刊プレイボーイ」「AUTOCAR JAPAN」「○○のすべてシリーズ」他、多数の雑誌、ウェブ等で活躍中。
  • 前田惠介

    Keisuke Maeda

    1962年生まれ。はじめて買ったクルマは、ジムニーSJ30F。自動車メーカーのカタログを撮影する会社に5年間勤務。スタジオ撮影のノウハウを会得後独立。自動車関連の撮影のほか、現在、湘南で地元密着型の写真館を営業中。今の愛車はスズキ・ジムニー(JB23)

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