【発売開始、即完売の人気車】見た目以上に走りが凄い!ランドローバー・ディフェンダー・オクタは極上のダイヤモンド

公開 : 2025.07.15 12:15

ランドローバー・ディフェンダーに『オクタ』と呼ばれる最上級のモデルが登場しました。日本市場の割り当て130台と初回限定の90台が即完売するという、超人気車です。吉田拓生が公道とオフロードコースでテストします。

ディフェンダーの最上級モデル、オクタとは?

現在のランドローバーはブランド内にレンジローバー、ディスカバリー、そしてディフェンダーという3つのラインが存在している。今回上陸を果たした『オクタ』は、ディフェンダーの最上級モデルである。ちなみにオクタとはダイヤモンドの原石に見られる8面体形状のこと。強くて希少という意味らしい。

ベーシックかつ泥っぽさに存在意義があるディフェンダーなので『最上級』という表現に違和感を覚えていたのだけれど、試乗前の説明にあった「ダカールラリー用のベースモデル」という一言ですっきりと咀嚼することができた。例えるならばポルシェが911をベースにGT3RSを仕立てた感じなのだろう。

今回上陸を果たしたランドローバー・ディフェンダーの最上級モデル『オクタ』。
今回上陸を果たしたランドローバー・ディフェンダーの最上級モデル『オクタ』。    神村聖

これまでのディフェンダー最強モデルは525psを発生する自社製の5LV8スーパーチャージドエンジンを搭載していたが、オクタの心臓はBMW製、最高出力635psの4.4LV8ツインターボ。型式はS68B44Bなので、つまり泣く子も黙るBMW M用ということになるが、ランドローバーではすでにレンジローバーSVやレンジローバー・スポーツSVに搭載されているユニットでもある。

ちなみにディフェンダー・オクタの今年の日本市場への割り当ては130台で、さらにエディションワンと呼ばれる初回限定車が90台用意されていたのだが、どちらも即完売してしまったのだとか。そんな人気ぶりを耳にすると、いよいよ最上級のディフェンダー何たるかが気になってくるではないか。

一見ノーマル、それでも漂うオーラ

シャラントグレイというマットなボディカラーが落ち着いたイメージだったので、最初は普通のディフェンダーとの差がよくわからなかった。だがよく見るとオクタはただならぬオーラを纏っている。

完璧にフィッティングされた前後オーバーフェンダーによってボディの幅が7cm広がっていることが最大の特徴だが、専用デザインの20インチホイールとオプションのオールテレイン、そして開口部が拡大されたフロントグリル周りも凄みの源泉になっているようだ。

シャラントグレイというマットなボディカラーを纏い、ただならぬオーラを放つ。
シャラントグレイというマットなボディカラーを纏い、ただならぬオーラを放つ。
    神村聖

室内も『オリジナルの雰囲気の延長線で凄みを出す』という手法でアップレートされており、専用のスポーツシートが備わっていた。

走りはじめて感じたのは、エンジンのレスポンスの良さがそのまま車速に反映されること。ディフェンダーという名前からは想像できないほどの快速ぶりなのだ。にもかかわらず縦横に大きな入力が入っても、ボディはフラットな姿勢を崩さない。車重2.5トン、最高出力600ps超えというスペックが信じられないほど。

巨漢らしからぬオクタの身のこなしを実現させている鍵は、ショックアブソーバーにある。『6Dダイナミックサスペンション』と呼ばれるシステムは、伸び縮みの電制バルブが付いた4本のダンパーを前後左右で油圧関連させ、さらに中央部にコントロールユニットがある。

ほぼアクティブに近い反応速度で減衰が変わり、スタビライザーの役目もこなすこの最新鋭の足まわりが、エンジンパワーと太いタイヤだけでは説明がつかないオクタの高い次元の走りを下支えしているのであった。

記事に関わった人々

  • 執筆

    吉田拓生

    Takuo Yoshida

    1972年生まれ。編集部員を経てモータリングライターとして独立。新旧あらゆるクルマの評価が得意。MGBとMGミジェット(レーシング)が趣味車。フィアット・パンダ4x4/メルセデスBクラスがアシグルマ。森に棲み、畑を耕し蜜蜂の世話をし、薪を割るカントリーライフの実践者でもあるため、農道のポルシェ(スバル・サンバー・トラック)を溺愛。
  • 撮影

    神村聖

    Satoshi Kamimura

    1967年生まれ。大阪写真専門学校卒業後、都内のスタジオや個人写真事務所のアシスタントを経て、1994年に独立してフリーランスに。以後、自動車専門誌を中心に活躍中。走るのが大好きで、愛車はトヨタMR2(SW20)/スバル・レヴォーグ2.0GT。趣味はスノーボードと全国のお城を巡る旅をしている。
  • 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

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