アストン マーティン 歴代で最もサーキットに重点を置いた新型『ヴァンテージS』発表

公開 : 2025.07.14 19:45

アストン マーティンは、シリーズ歴代で最もパワフルな『ヴァンテージS』を発表しました。サーキットでのパフォーマンスに重点を置いたモデルで、V8ツインターボの最高出力は680psにのぼります。

尖った最強仕様

アストン マーティンは、第3世代目となる『ヴァンテージ』において、サーキットでのパフォーマンスを重視した『ヴァンテージS』を正式に公開した。

『S』の称号がヴァンテージに冠されるのは2018年以来で、最近のモデルとしては先日登場した『DBX S』に続くものとなる。

アストン マーティン・ヴァンテージS
アストン マーティン・ヴァンテージS    アストン マーティン

680psを発生するヴァンテージSは、2022年に限定生産された『V12ヴァンテージ』を除いてシリーズ最強のモデル。しかし、注目すべきなのは、出力だけではなく、サーキットでのパフォーマンスに特化して開発された点といえる。

アストン マーティンのエンジニアたちはコーナリング速度と安定性の向上に注力した。その鍵となるのが、新設計のダックテールスポイラーであり、空力バランスをフロント寄りにシフトさせるようチューニングされている。これに新設計のフロントおよびアンダーボディのエアロを組み合わせることで、最高速時には111kgのダウンフォースを発生するという。

搭載される4.0L V8ツインターボは、最大トルク80.6kg-mを3000~6000rpmで発揮。レスポンスを高めたドライブバイワイヤ式スロットルと合わせてより精密なアクセル操作が可能となった。

これにより、ローンチコントロール使用時の0-100km/hの加速は3.4秒(従来より0.1秒短縮)、0-200km/h加速は10.1秒を記録。最高速は従来と同じ325km/hに据え置かれている。

なお、同クラスのライバルとなるフェラーリ・アマルフィ(最高出力640ps)の0-200km/h加速が9.0秒であることを踏まえると、ヴァンテージSは最高出力では上回るものの、加速性能では一歩譲る形となる。

ヴァンテージSは、エアロパーツの追加だけでなく、サテンブラックの専用21インチホイールやブレード形状の新しいエアインテーク、『S』エンブレムを内外装に配するなど、外観上でも差別化が図られている。

新型ヴァンテージSの価格は未確認だが、17万ポンド(約3300万円)からになると予想されている。デリバリーは2025年10月頃から開始される予定だ。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ウィル・リメル

    Will Rimell

    役職:ニュース編集者
    ニュース編集者としての主な業務は、AUTOCARのニュースの方向性を決定すること、業界トップへのインタビュー、新車発表会の取材、独占情報の発掘など。人と話したり質問したりするのが大好きで、それが大きなニュースにつながることも多い。これまで運転した中で最高のクルマは、アルピーヌA110。軽快な動きと4気筒とは思えないサウンドが素晴らしい。
  • 翻訳

    小河昭太

    Shota Ogo

    2002年横浜生まれ。都内の文系大学に通う現役大学生。幼いころから筋金入りのクルマ好きで、初の愛車は自らレストアしたアウトビアンキA112アバルトとアルファロメオ2000GTV。廃部になった自動車部を復活させようと絶賛奮闘中。自動車ライターを志していたところAUTOCAR編集部との出会いがあり、現在に至る。instagram:@h_r_boy_
  • 編集

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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