6気筒ディーゼル搭載 G20型 BMW 3シリーズツーリング330d xドライブに試乗

公開 : 2019.11.09 09:50

BMWの定番の1つといえるのが3シリーズのツーリング。操縦性の精度に僅かな陰りがあるものの、それを上回る使い勝手の良さを獲得しています。英国の道で6気筒エンジンを搭載したディーゼル・モデルを評価しました。

高性能SUVに押され気味のステーションワゴン

text:Tom Morgan(トム・モーガン
translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)

 
G20型のBMW 3シリーズ・ツーリングが英国へとやってきた。英国編集部でオススメのステーションワゴンだが、高性能SUVの人気の高まりとともに、支持者は減少傾向にある。それでもBMWは3シリーズの各グレードにツーリングを用意し、25%程度のユーザーが選択すると予想する。

ドライバーが得る高い満足度と、ラゲッジスペースとの両方を必要とする場合、有力な候補となってくるのが3シリーズのツーリング。優れたコンパクトサルーンとシャシーを共有しているところがポイントだ。

BMW 3シリーズツーリング330d xドライブ Mスポーツ・プラスエディション
BMW 3シリーズツーリング330d xドライブ Mスポーツ・プラスエディション

メカニカルな部分での違いは、若干強化されたアンチロールバーと、柔らかくなったフロントサスペンション。リアタイヤへ掛かる荷重の増加を加味したセットアップが施されている。

BMW 330dに搭載されるのは3.0Lの6気筒ディーゼルターボ。G20型になって、英国に導入される6気筒エンジンとしてはエントリー・ユニットとなった。ガソリンエンジンの330iは、4気筒へと切り替えられている。

Mスポーツ・プラスエディションと呼ばれる今回の試乗車は、19インチのアルミホイールを装備。前回ドイツで試乗したクルマは、Mスポーツだったが18インチホイールだった。前回の320dに引き続いての試乗といこう。

サルーンとの走行性能の差は最小限

最上級グレードということで、アダプティブ・サスペンションに強化版のブレーキ、バリアブル・スポーツステアリング、アクティブ・ディファレンシャルなども装備。英国では2019年末に登場する、M3に近いM340に次ぐ高価な3シリーズとなる。

ツーリングを運転した感覚は、ほとんど3シリーズのサルーンと同じ。最も明確に感じられる違いはコーナリング時の操縦性だが、程度はわずかだ。

BMW 3シリーズツーリング330d xドライブ Mスポーツ・プラスエディション
BMW 3シリーズツーリング330d xドライブ Mスポーツ・プラスエディション

われわれはサルーンの身のこなしを理解しているだけに、シャシーが実現している精度の高い操縦性やダイレクト感が、ツーリングでは陰りがあるように思えるくらい。だとしても、ツーリングの操縦性もグリップ力も、十二分に高い。

ダイナミクス性能では、最も優秀なステーションワゴンであることには変わりない。大きな荷室を獲得しても、ドライバーの充足感の減少は極めて限定的なのが嬉しい。

先代よりも全長、全幅、全高の3サイズで大きくなったG20型。リアシートを立てた状態での荷室も増え、500Lとなった。ボルボV60に迫る容量だといえる。リアシートを折りたためば1510Lにまで拡大し、これに勝る同クラスといえば、スコダ・スパーブ・エステートくらい。

テールゲートの開口部は大きく、段差は小さいから。荷物の積み下ろしも容易。リアシートは電動で折り畳まれる。テールゲートは2分割式で、リアワイパー下の小さなボタンを押すとリアガラス部分のみが開く。素早く荷室にアクセスできて機能的だが、ボタンの存在感がないから、機能自体を忘れてしまいそうだ。

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