[アバルト70年の歩み]特別コンテンツ

マツダ・ロードスターに触発された2台 Z3 MロードスターとCLK32 AMG 前編

2019.10.27

100字サマリー

マツダ・ロードスターの登場から数年後、やや旧式と呼べるようなスポーツカーのレシピで生み出されたドイツ製2シーター・カブリオレ。さらに高い支持を得るべく、MディビジョンとAMGとが手を加えた特別仕様を振り返ります。しかし最後には意外な伏兵も。

もくじ

ロードスターを追従したドイツ・ブランド
AMGとMディビジョンが手を加えた2台
クラシックなZ3 MとモダンなCLK AMG
手に届くところにある優れたパフォーマンス

ロードスターを追従したドイツ・ブランド

text:Chris Chilton(クリス・チルトン)
photo:Will Williams (ウィル・ウイリアムズ)
translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)

 
アメリカ市場に向けた英国的なスポーツカーを、日本で企画したマツダ・ロードスター(MX-5)。この成功をドイツ勢も見過ごすはずがなかった。

1990年半ばまでに、BMWとメルセデス・ベンツはコンパクトな2シータースポーツカーをモデルラインナップに加えた。だがBMWのZ3もメルセデス・ベンツのSLKも、マツダ・ロードスター(MX-5)のような甘いドライビングフィールを備えてはいなかった。

メルセデス・ベンツSLK32 AMG
メルセデス・ベンツSLK32 AMG

販売は好調だったが、根っからのエンスージャストからはあまり相手にされなかった2台。プレミアムブランドとして、期待されるパフォーマンスが得られていなかった。

1995年の映画007でピアース・ブロスナンはZ3をドライブするが、当時選べたエンジンは142psの1.9L一択。SLKは4気筒をスーパーチャージャーで過給し強力ではあったものの、トランスミッションはATのみ。ボール・ナット式のステアリングだったこともあり、運転感覚はスポーツカーとはいいにくかった。

AMGやMディビジョンも存在したが、1990年当時は主要モデルから高性能サルーンを生み出す、ややニッチな存在だった。AMGは1967年からメルセデス・ベンツの改造車を手掛けており、1992年からはメルセデス・ベンツの協力も得ていた。だがシュツットガルトの正式メンバーに加入するのは1999年になってから。

BMWのMディビジョンは既に英国や日本でも認知されていたブランドだったが、やはり限定的。1995年まではドイツ・ガルヒングの工場でM5を手作りしていたような状態ではあった。

 
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