【大化けなるか?】次期「フェアレディZ(Z35)」の姿 Z31〜Z34リアルタイム体験から考える

公開 : 2020.04.01 11:30  更新 : 2021.10.09 23:54

「Z」の次期モデル情報が世界各地で飛び交っています。AUTOCAR英国編集部は、新型車に対して「400Z」という表現を使っています。次期Zは「400Z」になるか? 期待される姿を実体験を元に考えます。

次期フェアレディZ、「400Z」なのか?

text:Kenji Momota(桃田健史)

欧米では「Z(ゼット)」ではなく「Z(ジィー)」と呼ばれる、「フェアレディZ」

そんな「Z」の次期モデル情報が世界各地で飛び交っている。

AUTOCAR英国編集部が2018年3月に公開した次期型Zのイメージ図。インフィニティQ60とベースを共有するのではという見方であった。
AUTOCAR英国編集部が2018年3月に公開した次期型Zのイメージ図。インフィニティQ60とベースを共有するのではという見方であった。

AUTOCAR英国編集部は今年(2020年)3月後半、米モータートレンドがつかんだ情報として「新しいZに関する商標の申請がカナダ政府機関に提出された」と伝えた。

記事のなかでは、新型車に対して「400Z」という表現が使われている。

北米や欧州では、現行の第六世代(Z34)が「370Z」、また第5世代(33Z)を「350Z」という商品名で読んでいる。

次期モデルでは、V型6気筒3.0Lツインターボ搭載で最大出力400馬力級、と予測している。

果たして、次期Zは「400Z」なのか?

次期「Z」については、日本の自動車雑誌各社でもこれまで、開発裏事情などがスクープされ、各メディアが独自にイメージスケッチを公開した。

仮にこうした話が事実だとしても、現状の日産は「400Z」を許容できるだけの経営体制を構築できていると言えるのか?

カルロス・ゴーン元CEOに関する様々な問題は、解決の糸口すら見つかっていない。さらに、西川CEO退任後の新経営陣の一部が崩れるなど、ゴタゴタが続いている。

「Z」は日産という企業の、まさにシンボルである。

これまで様々「Z」の現場を見てきた身として、次期「Z」はどのようなモデルになるかを考えてみたい。

歴代Zとの出会い 背景にアメリカと深い関係

今回、次期「Z」に関する情報がアメリカから漏れてきたように、現時点で「Z」への関心は日本人よりアメリカ人の方が強いと感じる。

その背景には、「Z」とアメリカとの深い関係がある。

「240Z」は、1970年当初は主に北米向け輸出専用に設定されたモデルで、海外での人気を耳にした日本のファンの声に応える形で、日本でも1971年11月に追加。日本でのグレード展開は240Z/240Z-L/240ZGの3種。240ZGは最上級グレード。
「240Z」は、1970年当初は主に北米向け輸出専用に設定されたモデルで、海外での人気を耳にした日本のファンの声に応える形で、日本でも1971年11月に追加。日本でのグレード展開は240Z/240Z-L/240ZGの3種。240ZGは最上級グレード。

「Z」の歴史を振り返ると、アメリカでの成功が「Z」の継続を保証してきた印象がある。

まずは、実際の声を紹介しよう。

アメリカには「Z」のオーナーズクラブが多数あるが、そうしたミーティングに参加すると、70年代からの初代(S30)オーナーにも出会うことがある。

彼らに70年代当時の話を聞くと「このスタイリングで、この走り。しかも、当時としては欧州スポーツカーやアメリカのマッスルカー比べて、かなりの割安感があった」と証言する。

それが第2世代(S130)、そして第3世代(Z31)と時代が進むにつれて、より大きく、よりズッシリとしたグランドツアラーへと進化。とはいえ、ボディデザインのイメージで初代を継承した。

筆者(桃田健史)は80年代中盤からアメリカで活動しているため、2代目と3代目にリアルタイムで乗る機会が数多かった。

当時の感覚は、日本車に乗っているというより、アメ車に乗っているようなイメージすらあった。

「Zはこのあと、いったいどんな風に進化するのか、少し心配だ」と、友人のアメリカ人たちと話したことを思い出す。

ところが……。

記事に関わった人々

  • 桃田健史

    Kenji Momota

    過去40数年間の飛行機移動距離はざっと世界150周。量産車の企画/開発/実験/マーケティングなど様々な実務を経験。モータースポーツ領域でもアメリカを拠点に長年活動。昔は愛車のフルサイズピックトラックで1日1600㎞移動は当たり前だったが最近は長距離だと腰が痛く……。将来は80年代に取得した双発飛行機免許使って「空飛ぶクルマ」で移動?

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