【ブランドらしいバンとは?】ポルシェ・ビジョン・レースサービス(2018年) ミュージアム所蔵モデル公開

公開 : 2020.11.22 11:01

ポルシェ・ミュージアムが所蔵する、コンセプトモデルやデザイン案が公開されました。大人6名での旅行を目的にデザインされたのが、ポルシェ・ビジョン・レンディエンスト。スポーティさと快適な旅行とを融合させた新しい提案です。

スポーティさと快適な旅行とを融合

translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)

 
スペースに焦点を当てたポルシェとは、どんなモデルに仕上がるだろうか。ポルシェという、ブランド価値に対応することはできるだろうか。

ミヒャエル・マウアーと彼のチームは、2018年にその疑問に応えた。ポルシェ・ビジョン「レンディエンスト」は、最大6名が乗ることができる、ファミリー層向けのバンだ。

ポルシェ・ビジョン・レースサービス(2018年)とフォルクスワーゲン・タイプIIをベースにしたレースサービス・バン
ポルシェ・ビジョン・レースサービス(2018年)とフォルクスワーゲンタイプIIをベースにしたレースサービス・バン

ポルシェ・ブランドとしても、フォルクスワーゲン・タイプIIをベースにしたレースサービス・バンという歴史がある。一方でデザイナーのマウアーは、ポルシェのバンは、実用的なピープルムーバーとは違う形でデザインするべきだと考えた。

新しい領域へ踏み出す必要があった。そこでデザイナーたちは、スペースシャトルのようなエキサイティングなプロポーションを導き出した。

スポーティさと、快適な旅行とを、まったく新しいスタイルで融合させている。それでいて、ひと目見ただけでポルシェだとわかる特徴も備える。

シームレスでフラットなフロント周りと、パワフルに膨らんだホイールアーチの造形。左右非対称のウインドウ・グラフィックは、従来のカテゴリーを忘れさせるデザインだといえる。

自動車の再発明に欠かせない手段

インテリアは、非常に快適なモジュール・トラベルキャビンが特徴。ビジョン・レンディエンストのドライバーは、車両中央のラウンジチェアに腰掛ける。

中央のシングルシートは、スポーティなドライビング体験を生み出す。その後ろに座る乗員へは、優れた前方視界が提供される。自律運転を前提とした空間効率も、従来の横に2人が並ぶレイアウトより良い。

ポルシェ・ビジョン・レースサービス(2018年)とフォルクスワーゲン・タイプIIをベースにしたレースサービス・バン
ポルシェ・ビジョン・レースサービス(2018年)とフォルクスワーゲン・タイプIIをベースにしたレースサービス・バン

純EVでもあり、主要コンポーネントはボディ下部へ配され、車内空間を確保している。乗員は、想像を超える豊かなスペースで、自動車旅行を楽しむことができる。

このポルシェ・ビジョン「レンディエンスト」は、アイデアに過ぎない。しかし、このような実験的なビジョンは、ポルシェにとて重要な意味を持っている。

新しい可能性を探求し、既成概念に疑問を投げかける。新しい自動車を再発明するために、欠かせない手段なのだ。

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