【どこ行くシビック】ユニクロっぽかった初代 アメリカ偏向プラス/マイナス 問われるホンダ新戦略

公開 : 2021.01.04 07:05

その昔、カジュアルな大衆車の代名詞だったシビック。最近はタイプRのイメージが優先します。稼ぎ頭のアメリカでも、立ち位置が変化。今後は?

もくじ

C/Dセグメントの常識崩れる?
ホンダは70年代のユニクロだった?
シビックはホンダの成長と迷いの象徴
ホンダ・シビック、どこへ行く?

C/Dセグメントの常識崩れる?

text:Kenji Momota(桃田健史)
editor:Taro Ueno(上野太朗)

シビック、と聞いて、あなたは何をイメージするだろうか?

クルマ好きは即座に、タイプRと答えるかもしれない。

ホンダ・シビック・タイプR
ホンダ・シビック・タイプR    ホンダ

タイプRは知る人ぞ知る、良い意味でのマイナーなクルマである一方で、シビックというモデルブランド自体がマイナーになっている印象がある。

そんなイメージを持つ人が大勢いるのは、シビック全盛期を覚えている人が多いからに違いない。

シビックの歴史を、筆者自身の実体験を踏まえて振り返ってみると、なんといっても70年代登場の初代シビックのインパクトが強い。

シビック登場までのホンダは、一般的に二輪車メーカーのイメージが強く、四輪車といっても軽トラックを含めて、当時はまだ商用車イメージが色濃い軽自動車メーカーという感じだった。

また、首都圏では販売店の規模が小さい、ないしは人口が多い商圏ですら販売網が確立されておらず、当時の日系ビック2であるトヨタや日産に比べて「ホンダを買おうと思っても売っている場所が近所にない」という声も多く聞かれた。

そうした状況で、いきなり登場したシビックは、それまでの日系メーカー車とは「なんだか違う?」という独特の世界感を持っていた。

それが、現在まで続く、ホンダのブランドイメージだと思う。

ホンダは70年代のユニクロだった?

現時点(2020年末)から、初代シビックを俯瞰してみると、90年代後半にユニクロが広めたフリースのような存在感だったといえるのではないだろうか。

つまり、ホンダがクルマの世界に「大衆的なカジュアル」という商品イメージを持ち込んだのだ。

ホンダ・シビック
ホンダ・シビック    ホンダ

デザインについても、3ドアハッチバックで上屋の開口部が大きく、インテリアもシンプルながらライフスタイルを尊重するような雰囲気がある。

70年代当時の定番小型車だった、トヨタ・カローラと日産サニーと比べると、明らかにカジュアルだった。

また、初代シビックにユニクロっぽさを感じるのは、技術的な裏付けがあるからだ。

ユニクロならば、素材の保温性や耐久性、価格などで他社との差別化を強調してきたが、初代シビックではCVCC(複合渦流調整燃焼)が排気ガス規制と燃費の点で大きな差別化要因となった。

近年では当たり前になった、エンジン気筒内での希薄燃焼(リーンバーン)の考え方を副燃焼室で量産する画期的な発想だった。

気筒内の混合気の流れを、学術的に立証させた内容について、その開発に携わり後年は教鞭を取った方から、筆者は直接話を聞いたことがある。

新技術とデザインの両面から、初代シビックのカジュアルさは日本のみならず、海を渡ったアメリカでも大きな話題となったのだ。

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