【まるでコンセプトカーそのもの】新型ヒュンダイ・アイオニック5 欧州発表 最新EV

公開 : 2021.02.24 21:45  更新 : 2022.02.07 12:19

ヒュンダイは新型EV「アイオニック5」を発表。高い充電能力を備え、航続距離は470kmとされています。

「アイオニック」シリーズの急先鋒

text:Piers Ward(ピアーズ・ワード)
translator:Takuya Hayashi(林 汰久也)

ヒュンダイは、中型の電動クロスオーバー「アイオニック5」を欧州で発表した。電動化を推進するために設けられたEV専用サブブランド、アイオニックの下で発売される最初のモデルとなる。

新型アイオニック5は、超急速充電が可能な800Vバッテリー技術を採用し、最大220kWの直流充電に対応。10%から80%まで最短18分で充電することができる。これまで800Vシステムは、ポルシェタイカンなど一部の高級車にのみ採用されていた。

ヒュンダイ・アイオニック5
ヒュンダイ・アイオニック5    ヒュンダイ

バッテリーサイズは72.6kWhと58kWhの2種類が用意される。どちらも後輪駆動または全輪駆動を選ぶことができ、最大航続距離は470kmとされている。

最もパワフルなバージョンはデュアルモーター、全輪駆動のモデルで、合計出力306ps、47.8kg-mのトルクを発生。0-100km/hは5.2秒、最高速度185km/hに達する。最もベーシックなバージョンは、58kWh、169psの後輪駆動モデルで、0-100km/hは8.5秒となっている。

アイオニック5の基本骨格となるのがE-GMP(エレクトリック・グローバル・モジュラー・プラットフォーム)である。電動モデル向けに作られた柔軟性のある車台で、次に登場するセダンのアイオニック6やSUVのアイオニック7にも使用される予定だ。

多くのEV専用プラットフォームと同様に、E-GMPも「スケートボード」レイアウトを採用しており、フラットな室内フロアを実現している。

珍しいことに、V2G(ビークル・トゥ・グリッド)機能が搭載されている。後部座席の下にあるプラグソケットからノートパソコンや電動スクーターを充電できるだけでなく、移動式蓄電機としても機能する。

地域の送電網が対応していれば、アイオニック5に蓄えた電力を送電網に送ることが可能だ。電気代が高いときに送電網へ送り、安いときに引き出せば、大幅な節約につながる可能性がある。

レトロかつ未来的なスタイリング

デザインは、コンセプトカーの「45」からインスパイアされたレトロなスタイリングを特徴とし、クラムシェル・ボンネット(同社初)やピクセル化されたライトを採用するなど、これまでのヒュンダイ車とは一線を画している。

ヒュンダイ・グループのルク・ドンカーヴォルケCEOはAUTOCARに対し、「EVの静粛性を表現するため、無駄なデザインを減らしたかった」と語った。また、ドンカーヴォルケはアイオニック5と後続の6、7との間には、ファミリーのような類似性を最小限に抑えたいと考えているようだ。

ヒュンダイ・アイオニック5
ヒュンダイ・アイオニック5    ヒュンダイ

「ヒュンダイ・ファミリーの中では、もうクローンは見られないでしょう。わたし達は膨大な数のモデルを展開していますが、世代が重なり過ぎてしまうと、どれが古くてどれが新しいのか定義する必要が出てきます。そこで、車種ごとにターゲットとなるお客様を定め、デザインを当てはめていきます。その方が退屈さも減るでしょう」

ヒュンダイはアイオニック5のライバルについて言及を避けているが、全長4635mm、全高1605mmというサイズは、中型クロスオーバー・セグメントにすっぽり収まっている。ボルボXC60よりやや小ぶりだが、ロングホイールベースと効率的なパッケージング(ホイールベースは3000mm)により、室内空間はそれに見合うはずだ。

トランク容量はシートアレンジによって531Lから1600Lに拡大可能。後席はスライド式で、60:40分割で折りたためる。

ダッシュボードには12.0インチのツインスクリーンが鎮座し、最新のコネクティビティを備えている。シートは、スライドとリクライニングが可能なフレキシブルシート(前席はほぼフラットに折りたためる)を採用。

ヒュンダイは、アイオニック5のインテリアを「スマートな居住空間」と想定している。日産アリアをはじめとする多くのEVと同様に、フロアは全体的にフラットで、スライド式のコンソールは前後に最大140mm移動するなど、インテリアには適応性がある。コンソールを後ろにスライドすれば、後席でもワイヤレス充電器を使用可能だ。

関連テーマ

おすすめ記事