【一新の狙いは?】仏プジョー ブランドのキーカラー、紺から黒へ

公開 : 2021.09.20 11:15  更新 : 2021.10.11 13:55

プジョーが、ブランドのキーカラーを世界的に「黒」へ変更。どんな狙いが隠されているのでしょう。過去の色使いから探ってみました。

ブルーライオンが、ブラックへ

執筆:Masayuki Moriguchi(森口将之)
編集:Tetsu Tokunaga(徳永徹)

プジョーシトロエン・DSのインポーターであるグループPSAジャパンが、東京・名古屋・大阪の3大都市でプジョーのカスタマー向けイベント「LION EXPERIENCE 2021」を開催した。

ここでは2022年に導入予定の新型308と参考展示の508 PSE(プジョースポールエンジニアード)を初公開したが、東京・六本木ヒルズで行われたプレゼンテーションでは新しいロゴマークをお披露目するとともに、キーカラーを紺から黒に変更し、書体も刷新したことも紹介された。

(左)キーカラーを「黒」にした仏プジョーのショールーム・イメージ。新ロゴと新しい書体を打ち出している。(右)日本で展開されている「紺」のショールーム。
(左)キーカラーを「黒」にした仏プジョーのショールーム・イメージ。新ロゴと新しい書体を打ち出している。(右)日本で展開されている「紺」のショールーム。    グループPSAジャパン

ロゴについては今年2月にフランスで発表されており、僕もウェブサイトで見ていたが、キーカラーが黒になったことは初耳だった。

プジョーと言えば、かつてディーラーネットワークをブルーライオンと呼んでいたこともあり、青のイメージが強い。なのでなぜ黒に? と思った人がいるかもしれないが、長い歴史を振り返ると、昔から青や紺を使っていたわけではないことがわかる。

プジョーはこれまで10個のロゴマークを使ってきた。

すべてがライオンをモチーフとしたもので、クルマを手がける前、自転車やペッパーミルなどの鉄製品を作っていた頃に定められている。当初のロゴマークは、矢の上にライオンが4つ足で立っているものだった。

クルマづくりを始めてからもしばらくこれを使うが、車体にエンブレムとして装着はしなかった。中央に0を挟んだ3ケタ数字の車名を使い始めた1930年代には、この車名をフロントグリルに掲げ、青・白・赤のトリコロールで数字を塗り分けていた。

こんなに違う、歴代の色使い

ところが第2次世界大戦後になると、最近まで使われてきたデザインの原型と言える、後ろ足で立って前足を伸ばしたポーズに変わる。

こちらは戦後初の新型車である203のフロントに採用しており、地色が紺、ライオンが黄色と、初めてブルー基調になった。

(左上)矢の上にライオンが立つ1872年当時のロゴ。(左下)戦後初の新型車、203からブルー基調に。(右上)WRCで活躍した205ターボ16の4色ストライプ。(右下)1975年のロゴ。今回発表されたものに似た横顔のアップだ。
(左上)矢の上にライオンが立つ1872年当時のロゴ。(左下)戦後初の新型車、203からブルー基調に。(右上)WRCで活躍した205ターボ16の4色ストライプ。(右下)1975年のロゴ。今回発表されたものに似た横顔のアップだ。    グループPSA

実はこの絵柄と配色、プジョー創業の地であるフランス東部のフランシュ・コンテ地域圏の紋章とほぼ同じだ。つまりプジョーのブルーは、この地域のクルマであることをアピールしたものだったのである。

しかし1960年の404の登場に合わせてロゴマークが再び一新。

今回発表されたものに似た横顔のアップになり、地色が黒、顔が銀になった。エンブレムには引き続き全身の立ち姿が起用されたが、色は黒と銀で、まもなく銀が金になり、ついには周囲の盾がなくなった。百獣の王というイメージを金で表したのかもしれない。

再びブルーを使うようになったのは、1970年代後半だったと記憶している。この頃プジョーはシトロエンと合併してPSAを結成したのに続き、クライスラーの欧州拠点を買収し、かつて使われたタルボのブランドをここにあてた。

当然ながらロゴマークも新たに考えられたが、プジョーとタルボは同じディーラーで販売することになったので、タルボは水色+赤、プジョーは紺が基調になり、両者を並べる際は間に黄色のラインを入れたのだ。

1980年代になって、プジョーは205ターボ16でWRCに参戦し、2年連続チャンピオンを獲得するが、このときのワークスチームがプジョータルボスポールという名前で、4色をストライプで使っていたことを記憶している人もいるだろう。

この記事に関わった人々

  • 徳永徹

    Tetsu Tokunaga

    1975年生まれ。2013年にCLASSIC & SPORTS CAR日本版創刊号の製作に関わったあと、AUTOCAR JAPAN編集部に加わる。クルマ遊びは、新車購入よりも、格安中古車を手に入れ、パテ盛り、コンパウンド磨きで仕上げるのがモットー。ただし不器用。

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