趣味性と実用性を兼ね備えたプジョーの新車たち【新米編集長コラム#29】

公開 : 2025.04.27 12:05

AUTOCAR JAPAN編集長ヒライによる、新米編集長コラムです。編集部のこと、その時思ったことなどを、わりとストレートに語ります。第29回は、プジョー308と408のPHEVにじっくりと試乗した話です。

イタリア車人生とフランス車人生の分岐点

今、個人的に趣味性と実用性を兼ね備えた新車を購入しようと考えた時、プジョーは必ず候補に入ってくるブランドだ。

長年イタリア車だけを所有してきた筆者であるが、大学生の時にシトロエンAXの中古車を買いに行ったものの、隣に飾ってあったフィアット・ウーノ・ターボにひと目惚れ、若干予算オーバーながらそのままハンコを押したことが、イタリア車人生の始まりだった。そこでAXを買っていたら、そのままフランス車人生になっていたかもしれない。

現在日本で新車を購入できるプジョーは、208、308、308SW、408、2008、3008、5008、リフター。写真は408。
現在日本で新車を購入できるプジョーは、208、308、308SW、408、2008、3008、5008、リフター。写真は408。    平井大介

現在日本で新車を購入できるプジョーは、208、308、308SW、408、2008、3008、5008、リフター。208と2008にはe-208、e-2008と呼ばれるBEVがあり、308、308SW、408、3008には普通充電が可能なPHEVが用意される。また、2008、308、308SWはディーゼルも選ぶことができ、リフターはディーゼルのみとなる。ちなみに、3008は先日、新型が日本でもお披露目されたのでフルモデルチェンジ直前だ。

趣味性という面では、やはりその魅力はデザインだろう。猫科を意識したエクステリアは個性的で、『iコクピット』と呼ばれるメーターが高い位置にありステアリングが小さいインテリアは、(人よりも座高が高い)私の体格にジャストフィットするので、乗るたびにいいなぁと思っている。

実用性という面ではどれを選んでも間違いないと感じているが、中でもサイズがコンパクトな2008が最強な気がする。現行モデルの全高が、多くの機械式駐車場に収まる1550mmからマイチェンで1580mmに変更されているのは実に惜しいものの(恐らくシャークフィンアンテナの分)、かなりいいパッケージだと思う。

今回は、最近自宅に200Vの屋外コンセントを導入したこともあり(詳しくはヒョンデコナの長期レポートをご参照ください)、PHEVの308と408をテストすることにした。

308GTハイブリッドはかなりパワフル

まずは308から。現在の日本仕様ラインナップは3車種で、1.2L直3ターボ(130ps/230Nm)の『308アリュール』、1.5L直4ディーゼルターボ(130ps/300Nm)の『308GTブルーHDi』、そして今回お借りした1.6L直4ターボ+モーター(180ps/250Nm+110ps/320Nm)の『308GTハイブリッド』となる。

スペックからも想像できるように、308GTハイブリッドはかなりのパワフルさ。8速ATとの組み合わせでシームレスに加速し、実によく走ってくれる印象だ。車両重量1660kgの重さも特に感じることがなかった。

プジョー308GTハイブリッドはちょうどいいサイズ感。
プジョー308GTハイブリッドはちょうどいいサイズ感。    平井大介

足まわりは実にプジョーらしく、コーナリングはよく粘ってくれる印象。ショックアブソーバーは芯のある柔らかさで、現代の『猫足』もいい味を出していると思う。シートのホールド性もよかったが、これは体格により好みが分かれそうな気がした。

ボディサイズは全長4420mm、全幅1850mm、全高1475mmで、これが街中で使用するにはベストサイズだと感じた。私が住んでいる静岡県東部の狭い道や駐車場で使用してみての感覚なので、日本ではちょうどいい大きさだと言えそう。

惜しいのはeセーブモードで、バッテリー残量はキープするものの、そこから充電していかないのだ。ちなみにこれは3008も同様となるPHEVシステムの世代的な問題で、このあと紹介する408では改善されていた。ということで、308や3008のPHEVを選ぶ場合は、自宅に充電環境が欲しいところだ。逆に私のように環境が整っている場合は、不便に感じないであろう。

記事に関わった人々

  • 執筆 / 撮影 / 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

新米編集長コラムの前後関係

前後関係をもっとみる

関連テーマ

コメント

おすすめ記事

 
×