ポルシェ911 GT3 ハードコアな強化キット発表 ニュルで鍛えられたマンタイ仕様

公開 : 2021.12.18 18:05  更新 : 2021.12.18 21:50

マンタイ・レーシングは、ポルシェ911 GT3のサーキット走行性能を向上させるキットを発表しました。

ハンドリング向上を重視 空力強化

ポルシェのモータースポーツ・パートナーであるマンタイ・レーシングは、新型911 GT3のサーキット走行性能を大幅に向上させるアップグレード・パッケージを発表した。

991世代のGT2 RSとGT3 RSに続く最新キットで、来年春に発売される予定。標準のGT3の価格におよそ7万ポンド(約1050万円)が上乗せされる見込みだ。

アップグレードキットを装着したポルシェ911 GT3
アップグレードキットを装着したポルシェ911 GT3    マンタイ・レーシング

マンタイ車の伝統として、最新キットはホームサーキットであるニュルブルクリンクで鍛えられたが、同社は「日常的な使用に適しており、顧客はGT3でサーキット走行にリラックスして出かけることが可能です」と述べている。

ハンドリングの最適化に重点を置き、GT3のシャシーとエアロダイナミクスを強化しているが、510psのフラット6には手を加えていない。

パッケージには、4ウェイのアジャスタブル・サスペンションキット、マンタイ特注の軽量ホイール、強化ブレーキシステムなどが含まれている。

エアロパーツもマンタイが設計したもので、専用のフロントスプリッターとエアチャネリングウィングレット、リアディフューザー、カーボンファイバー製リアスポイラー、後輪用のエアロホイールなどを装備する。

ニュルのラップタイム記録挑戦も間近?

標準仕様の911 GT3は先代モデルよりも大幅に改良され、ニュルブルクリンク・ノルドシュライフェで17秒のラップタイプ短縮に成功している。マンタイの開発責任者、ステファン・マゲスは、さらなるアップグレードは「大きな挑戦」だったと語る。

「ポルシェGTモデルの本質的なDNAに大きな変更を加えることなく、サーキット走行に適したパフォーマンスをさらに向上させ、同時にサーキット走行を愛する顧客にとって魅力的なパッケージを実現するという目標のため、多くの作業を必要としました。わたしは性能だけでなく、外観にもとても満足しています」

アップグレードキットを装着したポルシェ911 GT3
アップグレードキットを装着したポルシェ911 GT3    マンタイ・レーシング

マンタイはノルドシュライフェでのラップタイムを公にはしていないが、マネージング・ディレクターのニコラス・レーダーは、キットを装着したマシンが「どれだけ速くなるか楽しみだ」と語り、記録挑戦の走行が間近であることを示唆している。

マンタイは現在、ニュルブルクリンクの市販車ラップレコードを保持しており、今年6月にポルシェ・ワークスドライバーのラース・カーンがハンドルを握って6分43秒3を記録している。

記事に関わった人々

  • 執筆

    フェリックス・ペイジ

    Felix Page

    役職:副編集長
    AUTOCARの若手の副編集長で、大学卒業後、2018年にAUTOCARの一員となる。ウェブサイトの見出し作成や自動車メーカー経営陣へのインタビュー、新型車の試乗などと同様に、印刷所への入稿に頭を悩ませている。これまで運転した中で最高のクルマは、良心的な価格設定のダチア・ジョガー。ただ、今後の人生で1台しか乗れないとしたら、BMW M3ツーリングを選ぶ。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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