1980年代風ポルシェ911カレラが登場 カーボンボディに420ps、足回りも大幅強化 シンガー最新作

公開 : 2025.05.07 06:45

ポルシェのレストモッドを手掛けるシンガーが、ワイドボディのGシリーズ911にインスパイアされた最新モデルを発表しました。964型をベースに、エンジンやシャシーを強化し、内外装も一新。100台限定で販売します。

964型をレストモッド 排気量も拡大

ポルシェ911のレストモッドの専門家として知られるシンガー・ビークル・デザインは、1980年代のワイドボディ・自然吸気のカレラからインスピレーションを得た最新モデルを発表した。

このモデルは『ポルシェ911カレラ・クーペ・リイマジンド・バイ・シンガー(Porsche 911 Carrera Coupe Reimagined by Singer)』と名付けられ、Gシリーズの911(1973~1989年)の究極バージョンとして開発された。実際にベースとなっているのは、後の964世代(1989~1994年)の車両だ。

ポルシェ911カレラ・クーペ・リイマジンド・バイ・シンガー
ポルシェ911カレラ・クーペ・リイマジンド・バイ・シンガー    シンガー

シャシーは、F1チームから派生したエンジニアリングコンサルタント会社、レッドブル・テクノロジーズと共同開発した工程によって修復、強化されている。

964のモノコック構造における主な弱点を克服するために、さまざまな複合材と鋼板を使用し、ハンドリング、ブレーキ性能、および洗練性を向上させたという。

一方、964のフラット6エンジンは、コスワースによって改良されている。主な変更点は、排気量を通常の3.6Lから4.0Lに拡大したことだ。さらに、低速でのドライバビリティを高める4バルブの可変バルブタイミング機構、水冷シリンダーヘッド、新しいチタン製エグゾーストシステムが採用された。

これらの変更により、エンジンの最高出力は420psに達し、最大回転数は8000rpmを超える。

6速マニュアル・トランスミッションが搭載され、ギア比は「ドライバーがその回転域を探索するように促す」よう設定されているという。希望者には、オプションでギアセレクターの位置を高くしたり、シフトリンケージを露出させたりすることも可能だ。

サスペンションは、コクピットから電子的に調整可能な4ウェイダンパーでアップグレードされている。

トラクションコントロールには、さまざまな走行条件に対応する5つのモード(ロード、スポーツ、トラック、ウェザー、オフ)を用意。また、スピードバンプや急勾配の坂道を走行する際の支援としてノーズリフターを装備する。オプションとして、カーボンセラミックブレーキも選択可能だ。

ボディはカーボンファイバー製で、かつてカレラに採用されていたスーパースポーツ・エクイップメント・パッケージをベースに、ポップアップ式補助ライトなどの新しいデザイン要素を追加している。

リアは固定式のホエールテール、または高速走行時にリアデッキから立ち上がる可変スポイラーから選択することができる。

車内には、新しいバケットシートと、小型のナビゲーション・スクリーンなどの「控えめ」なデジタルシステムが搭載されている。

価格についてはまだ明らかにされていないが、受注は100台限定となる。

なお、ドナー車となる964型911の中古車価格は、3万ポンド(約570万円)程度から。

以前のシンガーDLSは200万ドル(約2億8000万円)以上と言われていた。

記事に関わった人々

  • 執筆

    チャーリー・マーティン

    Charlie Martin

    役職:編集アシスタント
    2022年よりAUTOCARに加わり、ニュースデスクの一員として、新車発表や業界イベントの報道において重要な役割を担っている。印刷版やオンライン版の記事を執筆し、暇さえあればフィアット・パンダ100HP の故障について愚痴をこぼしている。産業界や社会問題に関するテーマを得意とする。これまで運転した中で最高のクルマはアルピーヌ A110 GTだが、自分には手が出せない価格であることが唯一の不満。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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