メルセデスAMG EQS 詳細データテスト 楽に飛ばせて快適 低速域は洗練性が不足 質感は不満も

公開 : 2022.06.26 18:25

快適性/静粛性 ★★★★★★★★☆☆

高級EVにおける走りの洗練性に関して、これまでのロードテストにおけるベンチマークとなっているのは、SUVのBMW iX xドライブ50 Mスポーツだ。では、このメルセデスはどうかというと、かなり近い。その差はほとんどない、と言ってもいい。

静粛性は、48km/hでは同等、80km/hではBMWが1dBA静かだが、113km/hではメルセデスのほうが1dBA静かな62dBA。これは驚異的な空力性能によるもので、気流を乱さないことが効いている。

速度を上げると快適だが、低速域での乗り心地には満足しかねる。スピードバンプで足回りから音が出るというのは、高級車としてはいかなるものか。
速度を上げると快適だが、低速域での乗り心地には満足しかねる。スピードバンプで足回りから音が出るというのは、高級車としてはいかなるものか。    LUC LACEY

参考までに、S580e Lは同じく113km/hで62dBAを記録した。しかし、ロールス・ロイス・ゴーストは驚きの58dBAをマークしている。

EQSが主要なライバルの後塵を拝しているのは、低速での乗り心地と静粛性だ。速度を上げると上々の走りを見せ、電動長距離クルーザーとしてはおそらく並ぶものはない。しかし、市街地の速度域で荒れた路面を走ると苦戦する。驚いたのは、スピードバンプに乗り上げた際に、フロントサスペンションからの音が聞こえたことだ。

ハッチバック越しの後方視界は、まずまずといったところ。グラスハウスは、サンルーフが2面あるとはいってもひどく狭い。iXの開放感ある明るさを体験した後では、なおさらそう感じられる。

記事に関わった人々

  • 執筆

    リチャード・レーン

    Richard Lane

    役職:ロードテスト副編集長
    2017年よりAUTOCARでロードテストを担当。試乗するクルマは、少数生産のスポーツカーから大手メーカーの最新グローバル戦略車まで多岐にわたる。車両にテレメトリー機器を取り付け、各種性能値の測定も行う。フェラーリ296 GTBを運転してAUTOCARロードテストのラップタイムで最速記録を樹立したことが自慢。仕事以外では、8バルブのランチア・デルタ・インテグラーレ、初代フォード・フォーカスRS、初代ホンダ・インサイトなど、さまざまなクルマを所有してきた。これまで運転した中で最高のクルマは、ポルシェ911 R。扱いやすさと威圧感のなさに感服。
  • 執筆

    マット・ソーンダース

    Matt Saunders

    役職:ロードテスト編集者
    AUTOCARの主任レビュアー。クルマを厳密かつ客観的に計測し、評価し、その詳細データを収集するテストチームの責任者でもある。クルマを完全に理解してこそ、批判する権利を得られると考えている。これまで運転した中で最高のクルマは、アリエル・アトム4。聞かれるたびに答えは変わるが、今のところは一番楽しかった。
  • 撮影

    リュク・レーシー

    Luc Lacey

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    関耕一郎

    Kouichiro Seki

    1975年生まれ。20世紀末から自動車誌編集に携わり「AUTOCAR JAPAN」にも参加。その後はスポーツ/サブカルチャー/グルメ/美容など節操なく執筆や編集を経験するも結局は自動車ライターに落ち着く。目下の悩みは、折り込みチラシやファミレスのメニューにも無意識で誤植を探してしまう職業病。至福の空間は、いいクルマの運転席と台所と釣り場。

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