メルセデスAMG EQS 詳細データテスト 楽に飛ばせて快適 低速域は洗練性が不足 質感は不満も

公開 : 2022.06.26 18:25

購入と維持 ★★★★★★★☆☆☆

15万7160ポンド(約2593万円)の53 4マティック+は今のところ、英国で販売されるEQSのもっとも高価なモデルだ。このほかには、10万2000ポンド(約1683万円)の450+がラインナップされている。

この価格帯とパフォーマンスのレベルを考えると、直接的なライバルは少ない。しかし、年内にはルーシッド・エアとテスラモデルSプレイドが投入される。それまでは、ポルシェタイカンターボSの、広いスペースが備わるスポーツツーリスモくらいだろう。

BMW i7 M60の残価予想はまだわからないが、ポルシェとベントレーのライバルには後れを取っている。
BMW i7 M60の残価予想はまだわからないが、ポルシェとベントレーのライバルには後れを取っている。

しかし、EVという枠組みを外せば、EQS 53と真っ向張り合えるクルマは、おそらくベントレー・フライングスパーV8だろう。価格は16万ポンド(約2640万円)程度からで、高級さやパフォーマンスでも肩を並べる。

このメルセデスがベントレーほどスペシャルに感じられるかどうか議論の余地はあるが、先日テストしたPHEVモデルである11万6330ポンド(約1919万円)のS580e Lを即座に否定したくなるようなものではない。間違いないのは、現状のマーケットにおいて興味深い存在だということだ。

実用性の面では、不満はほとんどない。充電は200kWに対応し、欧州で展開するイオニティの急速充電が1年間無料で利用できるので、バッテリーのサイズとこのクルマの効率も考え合わせると、行動範囲の心配はしなくて済むだろう。温暖な天候の中では、ツーリング電費が4.3km/kWhで、468km走行できる計算だ。1モーターの450+なら、もっと長く走れる。

記事に関わった人々

  • 執筆

    リチャード・レーン

    Richard Lane

    役職:ロードテスト副編集長
    2017年よりAUTOCARでロードテストを担当。試乗するクルマは、少数生産のスポーツカーから大手メーカーの最新グローバル戦略車まで多岐にわたる。車両にテレメトリー機器を取り付け、各種性能値の測定も行う。フェラーリ296 GTBを運転してAUTOCARロードテストのラップタイムで最速記録を樹立したことが自慢。仕事以外では、8バルブのランチア・デルタ・インテグラーレ、初代フォード・フォーカスRS、初代ホンダ・インサイトなど、さまざまなクルマを所有してきた。これまで運転した中で最高のクルマは、ポルシェ911 R。扱いやすさと威圧感のなさに感服。
  • 執筆

    マット・ソーンダース

    Matt Saunders

    役職:ロードテスト編集者
    AUTOCARの主任レビュアー。クルマを厳密かつ客観的に計測し、評価し、その詳細データを収集するテストチームの責任者でもある。クルマを完全に理解してこそ、批判する権利を得られると考えている。これまで運転した中で最高のクルマは、アリエル・アトム4。聞かれるたびに答えは変わるが、今のところは一番楽しかった。
  • 撮影

    リュク・レーシー

    Luc Lacey

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    関耕一郎

    Kouichiro Seki

    1975年生まれ。20世紀末から自動車誌編集に携わり「AUTOCAR JAPAN」にも参加。その後はスポーツ/サブカルチャー/グルメ/美容など節操なく執筆や編集を経験するも結局は自動車ライターに落ち着く。目下の悩みは、折り込みチラシやファミレスのメニューにも無意識で誤植を探してしまう職業病。至福の空間は、いいクルマの運転席と台所と釣り場。

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