「ZF」のアフターマーケット事業、5つのブランドなの知ってる? メガサプライヤーが進む新時代

公開 : 2023.03.10 13:12  更新 : 2023.03.10 13:26

変革の時代をリードする5ブランドに

「コネクテッド」においては、商用車を中心に最先端のテレマティクス・ソリューションを展開する。

具体的には、トレーラーの動態管理など、アフターマーケット業界のデジタル化で、物流・貿易のグローバル化を推進。費用対効果の高い、追跡可能なロジスティクスを実現する。

TRWのブレーキパッドとセミコンパウンド・ディスクローター。
TRWのブレーキパッドとセミコンパウンド・ディスクローター。    AUTOCAR JAPAN

「電動化」においては、トランスミッションに代わるEVドライブユニットの開発や、高圧システムのトレーニングなどによるEV専用パーツの取り扱いを可能にする。

「サステナビリティ」においては、2030年までに2019年比でCO2排出量を80%に削減し、さらなる持続可能性を目指すため、グリーン・アフターマーケットのソリューション開発に取り組む。

また、スペアパーツに関しても今後も力を入れ、アフターマーケット向けの専用品開発やOE品質改善を図る。

そして先に紹介した5つのブランドでは、以下のように展開する。

ZF

日本ではBMWのATをOE供給しているが、乗用車向けのトランスミッションや交換キット、商用車向けトランスミッションパーツ、オイルやフィルター、そしてEV用高圧部品などの開・改善を進める。

レムフォルダー

スタビライザーリンク、コントロールアーム、ボールジョイント、タイロッド、マウントなど、ドイツ車の足まわりにOE供給されている多くのパーツの開発・改善を進める。

ザックス

モータースポーツからフィードバックされた、ダンパーやクラッチなどで、より高品質の製品を目指す。

TRW

世界で初めてキャリパーを導入した、ブレーキプロバイダーとして、ブレーキを中心とした足まわりのプレミアム・アフターマーケット市場をリードする。アジア車やアメリカ車では、サスペンションも供給しているが、こうしたパーツの開発・改善を進める。

ワブコ

大型商用車のエアブレーキ/サスペンションのトップブランドとして、安全と効率的な運用を実現するため高品質のアフターサービス製品をラインナップする。

そして、日本のマーケットでも…

日本国内においても、今後の方向性として次の3つのポイントを挙げた。

1. 日本車向け製品ラインナップのさらなる拡充
2. 5ブランドのシナジーを活かした部品流通の最適化
3. EV普及に備えたアフターサービス体制の整備

左上から時計回りに、ザックスのエアスプリング、TRWのブラックペインテッド・ディスクローター、レムフォルダーのミッションマウント、ワブコのリマン品(EBSアクスルモジュレーターGen 2)。
左上から時計回りに、ザックスのエアスプリング、TRWのブラックペインテッド・ディスクローター、レムフォルダーのミッションマウント、ワブコのリマン品(EBSアクスルモジュレーターGen 2)。    AUTOCAR JAPAN

そう、もはやZFはトランスミッションだけの会社ではない。

電動化が進み、クルマの仕組みが大きく変わっても、ZFはさまざまなパーツを提供し続けることで、メガサプライヤーとしての地位を確立し続けることは間違いないのだ。

記事に関わった人々

  • 執筆 / 撮影

    AUTOCAR JAPAN

    Autocar Japan

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の日本版。

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